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雑草の花束  作者: 片喰
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【一時休憩】ラオメ

 ロップ国の狩り隊の3分の1は逃げた。もう3分の1は僕等に突撃して返り討ちに遭い、残りの3分の1は支部に集結した。

 一時休憩という名の膠着状態だった。

 僕等ほぼ全員自宅や拠点場所でぐだぐだ過ごしている。SLAY生産場所はもう無いけど、ロップ国支部で一丸となった狩り隊にただ突っ込んでは自殺行為だ。あちらもこれ以上の人員を失うのは痛手。そんな訳でどちらも動けなかった。

「…誰か〜電話とって〜。」

 ソファに寝っ転がったまま卓上のスマホへ手を伸ばす。さっきからコール音が五月蝿いのだ。届かない。ゆいはゲームの手を止めずに呆れた顔で、

「自分で取って下さいよー。」

「何かァあったか?」

 隣室から出てきた羅謝がスマホを取った。向こう側の声が漏れ聞こえる。

『報告です。』

 リモンドの声。僕等の中には自宅でぐだぐたしてない奴等が2人だけ居る。リモ蓮だ。

「本部の調査に行ってたんだったか。」

『端的に言うと、本部はほぼ壊滅です。人も大方逃げた。武器もロップ国支部に大部分を送り済み。そう、備蓄していたSLAY反応武器もロップ国支部に送ったようです。生産場所はなくなりましたが、<悪魔殺し>の警戒は続けるべきかと。』

「まあそうなるよね〜。」

「了解。そっちも気をつけろよ。」

『ええ。早急に帰宅します。』

 通話を切りながら相棒は溜め息を吐いた。

「SLAY生産場所をどうこうしたって、いきなり万事解決は無理だよな。分かってたがァやっぱりちょっと凹むな。」

「万事解決は出来てなくても大分前進したでしょ。今は新しい計画を考えながら休むべきだよ。リモ蓮の到着は待たなきゃだし、八重ちゃんも新作武器作ってるらしいし。」

「あの人、思ったより暴れますよねー。なにげに容赦ないし。レーリッシュ手前ぐらいの戦力あるくないすか?」

 一瞬視線を僕等に向けつつ尋ねるゆい。羅謝は肩を竦めた。

「さァな。レーリッシュも存外鈍ってるし…。」

「会ったばっかの頃のがヤバかったよね〜。」

「ふーん。」

「何はともあれ今は体を休めるべきだな。ゆいィ、お前いつも言うけど早く寝ろよ。」

「今どき過保護キャラは流行りませんよー。」

「生憎キャラじゃァないんでね。ちょっと出掛ける。」

 ゆいと僕は同時にぱっと顔を上げた。ひょろながの相棒はもうドアノブを摑んでいる。

「ちょ、ちょっと。どこ行くの。」

「八重から最近連絡ないからァ、様子見に行ってくる。」

 過保護キャラは今どき流行りませんよ、とゆいがもう一度行った。

    ●Ti piacerebbe volare con me?●

「おかえり。遅かったじゃん。」

 不平を垂れる。が、相棒はぼおっと空を凝視していた。異変を感じたのかゆいも振り返る。

「羅謝?」

「_ん?ああ…悪い。」

 漸く翡翠の瞳がこちらを向く。しかしそれも束の間で、すぐに視線は外れた。羅謝は長い体を持て余すような足取りで自室に向かう。

「…八重はどうでした?」

「うん、大丈夫そォだった。単に仕事に集中してただけらしい。」

「ねえ羅謝。なんかあったの?」

「いや、いや…。なんでもない。」

 ばたん、と扉が閉まった。

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