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論外魔力の魔法使い  作者: 宮地拓海


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75話 討伐のための準備

「敵は予測不可能な危険人物だ。準備はしっかりしておいてほしい」


 ――と、グレイスに支度金1万Mbをもらった。

 それで俺たちは、『闇の組織』討伐のための準備をしに市場へと向かった。


「あ、スティナさんっ! 揚げドーナッツですよ!」

「エルセ、買ってきなさい。6つ!」

「お前ら、真面目に買い物しろ!」


 つか、誰かが2個、ないし3個食うつもりだろ!?

 あとにしろ、そんなもん!


「そこのかわい娘ちゃん。お嬢ちゃん魔法使いだろ? MP回復ポーションどうだい? お安くしとくぜ」

「ひひひっ。残念じゃのぅ。ワシにはコーしゃまがおるからの。MP回復ポーションも『かわい娘ちゃん』なんてお世辞も間に合っておるのじゃ。のぅ、コーしゃま?」

「『かわい娘ちゃん』は言ったことないけどな」


 にこにこ笑うニコ。こいつはこいつで楽しんでいるようだ。


「でもニコ。一応買っておいた方がいいんじゃないか? 俺がすぐに対応出来ない時もあるかもしれないし」

「ワシは一途な女なのじゃっ。MP回復ポーションに浮気などせんのじゃ!」

「いや、そこはいいんじゃないかな、しても」


 つか、浮気じゃねぇし。


「そうですね。わたしも、今後は魔力を使うことが増えるかもしれないですし、それに備えた方がいいですよね」


 ニコのコスプレを覚えたエルセは、今後魔法を使うことが増えるだろう。

 そのための備えを購入しておくのには賛成だな。


「いつコーシさんに魔力を分けてもらうことになってもいいように、ウェットティッシュが欲しいです!」

「って、こら」

「殺菌力の強いヤツをっ!」

「泣くぞ、おい」


 なんでそんなにばっちぃもの扱いなんだよ!?


「あぁっ、違います違います! コーシさんがばっちぃということではなくて……その……」


 急にもじもじとし始め、恥ずかしそうにエルセが言う。


「コーシさんに触れられる前には清潔にしておきたいというか……あ、汗臭かったりしたら、その……恥ずかしいですし……」


 ……もじもじしながらそういうこと言うのやめてくれるかな?


「そんなもん気にすんなよ」

「気になりますよっ」

「大丈夫だって」

「そうよ、エルセ」


 照れるエルセの説得に、スティナが助太刀をしてくれる。

 こういうデリケートな話は、女の子同士の方がいいかもな。


「コーシは、汗臭い方が興奮するタイプのメンズなのよ」

「違うわっ!」

「ぅわぁ……」

「勝手にドン引きしてんじゃねぇよ!」


 戦闘中に汗臭いとか泥臭いとか言ってられないだろうって話だよ!

 そんなもん、いちいち気にしてたら冒険なんて出来ないだろうが。


「ニコからも何か言ってやってくれよ」

「店主どの! 清めの水が欲しいのじゃ! どどーんとお徳用サイズで10リットルほど!」

「おぉーい!」


 水の持ち運びだけで体力なくなるわ!


「今回買うのは、状態回復の薬とか、戦闘をサポートするようなアイテムだよ。余計な物は買うなよ!」

「コーシさん! バナナはオヤツに含まれますか!?」

「オヤツが今回の買い物リストに含まれてねぇよ!」

「なんですって!?」

「お前は食うことと引きこもることしか頭にないのか、スティナ!?」

「コーシを微妙な表情にすることも考えているわ」

「考えるな、そんな余計なこと!」

「『俺の顔は生まれながらに微妙だ!』という宣言かしら?」

「宣言する意味あるかな、その悲しい事実!?」


 別に俺は自分がイケメンだとは思ってないが、わざわざ宣言するほど酷くもないはずだ。

 …………ない、と、思いたい。


「スティナも、何か役立つもの買っておけよ。きゅん力をあげるためのものとか」


 エッカルト様の公式グッズでもあれば、こいつは延々と回復魔法が使えることだろう。


「それなら、コレが欲しいわ」


 と、スティナが立ち並ぶ商店の中から貝殻の付いたイヤリングと、同じく貝殻のついたネックレスを手に取った。

 イヤリングの貝殻は小指の先ほどの大きさの巻貝で、ネックレスの方はイヤリングの巻貝を手のひらサイズにしたような貝殻だった。

 アクセサリーか?


「こちらのネックレスに付いている貝殻に向かって声を発すると、こっちのイヤリングの貝殻からその声が聞こえるというアイテムよ」

「トランシーバーみたいなものですかね?」


 エルセの言葉はそう外れてはいないだろう。ただし、一方通行っぽいけどな。


「私がこのイヤリングを着けるから、コーシはこっちのネックレスを着けて、折を見て私に萌えワードを囁きなさい」

「えぇ、なにそれ……寒い」


 そばにスティナがいないのに、貝殻に向かって萌えワードをぼそぼそ呟くの?

 完全に怪しい人じゃん、俺。


「コレがあれば、コーシと離れていても回復魔法が使えるわ」

「まぁ、そうか。必要になるかもな」

「そうね。……ま、まぁ、私とお揃いになるけれど、それも致し方のないことよね」

「「――っ!?」」


 スティナの言葉に、エルセとニコの顔つきが変わった。


「コーしゃま! ワシとお揃いのお守りを持つのじゃ! ご利益二倍なのじゃ!」

「いや、ニコ。張り合わなくていいから」

「持ってほしいのじゃ! 持ちたいのじゃっ!」


 もぅ……しょうがないなぁ。


「コーシさん! お揃いのTシャツを買いましょう!」

「バカップルかっ!?」


 さすがにペアルックは寒いし痛過ぎるだろう!?

 ……と、エルセの持っているTシャツに目をやると、胸のところに大きな文字で、『おかわり自由』と、書かれていた。


 あ、バカップルじゃなくて、ただのバカなのか。うん。絶対着ない。



 その後、ニコが提案したお揃いのお守りを全員で持つということで手打ちとなり、結局またまともな買い物は出来なかった。






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