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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第7章 レドナクセラ帝都奪還
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レドナクセラ解放

廊下の方から何人もの足音が聞こえ、こちらに向かってくる。



「レイチェルは無事か!」


部屋に飛び込んできたマルスの第一声がレイチェルの安否だった。


いや、分かるんだけどね。


「うお!サハラなんで素っ裸なんだ」

「見るなボケ!」


なぜか俺は咄嗟に胸と股間を隠す女がやるようなポーズを気がついたら取っていた。

慌てた俺の格好にすぐさまレイチェルがベッドの上掛けの布を引っ手繰ると俺に被せてきた。


「こらぁ!マルス、他男は全員!直ちに部屋から出て行きなさ〜い!」


なんか守って貰ったようだ。

一旦野郎どもが部屋を出ると、レイチェルはベッドの上の俺の引き裂かれたボロボロの服を見る。

俺はその間にいつものローブだけをとりあえず着て、大きく開いた前を重ねてキッチリと閉じて紐で結ぶ。


「サハラ、うううんサーラ大丈夫?今は一応女の子なのよ」

「サーラ、平気なの?」

「なんか気持ち悪い。いや、それ以上に早く風呂に入りたい」


あ、と思い出したようにレイチェルが気まずそうな顔をした。


「あたし、サーラお風呂に連れて行くね」

「セーラム頼んだわ」


なんだか女性陣が異様に優しい。

これが女の連帯感なのか、うん、困るね先生とても。


セーラムに連れられ俺が部屋を出ると野郎どもが浴場に向かう俺らを見届けていたが、部屋の中からのレイチェルの怒声でぞろぞろと中に入っていった。




俺が戻った時には既にナーサイヴェルは目が覚めていて、見張りとしてカインとアベルがつけられ、謁見の間にてレイチェル、マルス、ワイプオールなどの面々の面前に立たされていた。

またそこにはガウシアンの兵たちも僅かながらいた。

俺とセーラムが来るとナーサイヴェルが突然喚き始めた。


(わたくし)はそこの女のフリをした男に騙されたのです!(わたくし)を陥れようとされた、(わたくし)は被害者なのです!」

「黙りなさい! 貴方は自分が何をしたか分かっているんですか!それとサーラは女です、貴方は何を言っているんですか!」

「全て分かっていますとも!そこの女のフリをした男に(わたくし)は誑かされたのです!」


なんか言いたい放題だな。

俺の女体化は当然ながら一部の人しか知らない。ゆえにこの場では俺は女扱い、レイチェルの侍女サーラとして扱われる。



「ナーサイヴェル、相変わらず往生際が悪いさね」

「な! 貴女は……まさか、アシエンダ! 何故ここに」


お、女将さんの名前……アシエンダって言うのか!


「ぶっ殺ーす!」

「ひぃ! ゆ、ゆゆゆ、ユンケルぅぅぅ!」


ユンケル! それが旦那さんの名前なのか!


「観念したらどうさね?」

「サーラ、貴女ははどの様な処分を求めますか?」


レイチェルが姫として俺に意見を求めてくる。もちろんこんな屈辱味わったことはないし、二度とあいたくない。


「絶対に許せないな」

「サーラ?」

「あ、いえ、絶対に許せません」

「こ、こここ、この男女ぁ!」


俺に向かって来ようとしたが、すぐにカインとアベルに取り押さえられた。

そしてその場に居合わせたガウシアン兵たちにもレイチェルは意見を求め尋ねる。

ガウシアン兵達はナーサイヴェルの行いを非難し、処刑すべきだという意見で一致した。



結果的にレイチェル自身の口から処刑を言うことはなく、ナーサイヴェルは牢獄に幽閉されることとなった。

おそらく突然権力を持ったレイチェルだが、人の命を奪う決断はしたくなかったといったところなのだろう。


そしてガウシアンの兵達は解放され、家族のいるものは立ち去り、そうでないもの達はレドナクセラに残り、そのまま暮らす者レドナクセラの兵となる者で別れた。


その後にキャス率いる非戦闘員だった解放軍の住人達も到着した。




数日後にはレイチェルが正式にレドナクセラを解放したと宣言する。




「長かったな」

「うん、えっと、あのねマルス……」

「分かっている、結婚の事だよな」


マルスとレイチェルは迷っていた様で、いつガウシアンが攻めてくるかわからないこの状況で式を挙げる事に悩んでいた。また、国の新たな名前についてもーーー

これについては俺たちも集められ相談する事になる。結果的にワイプオールの声で決まる事になる。

もしこの後の戦いで敗れたら結婚も何もない、それにマルスとレイチェルの結婚による指揮向上は大きいというものだった。

それによって急ぎ式の準備に取り掛かり、キャスは各町に飛び参加を望む民達を大急ぎで帝都に集めるのを手伝う事になる。





「で、俺は一体いつになったら元の姿に戻るんだ?カフィン」

「すまんサハラ様、いやサーラ様、本来その変化の魔法は短時間しか持たないため永久化(パーマネンス)ではないが、延長させる魔法を加えさせているから暫くはそのままだ」

「なっ!ふざけんなよ、どれぐらいだ?いや、解呪(ディスペルマジック)で戻せないのかよ」

「それはもう試したんだがそれが…よく分からないんだが魔法の力が弱まったみたいで解けないんだ。恐らく10年は…」


お、おおお、俺は10年もの間、女の姿で生きないといけないっていうのか!


もちろんキャスにもこれは話たが、とんでもない答えが返ってきた。


「僕でも無理だよ。だって…【魔法の神アルトシーム】が死んじゃったから……

魔法の力がどんどん弱まっているんだ。一応解く方法はなくもないんだけど、僕は神になんてなりたくないからさ。似合ってるし10年ぐらいいいじゃん、サーラ?あはは」


という事だった。

ちなみにこの魔法は変身ではなく変化なので外見だけが変わっているのではなく、性別的に完全に女性化している。

その為、この後レイチェルに女として必要な事を色々教わる事になる。

女って結構色々と面倒なんだな。



「サハラ、10年女体化おめでと〜!」

「しっかり私の侍女してね」

「この世界に来てまだ10年居ないって言うのに……」

「いいじゃない、せっかくの機会なんだから女の子楽しんじゃおう? ん?」

「レイチェル、その発言はチョット不味いんじゃないか?」

「サーラちゃん、何を想像しちゃったのかなぁ?」

「サーラのえっちぃ」

「もういい……」


そんなわけでしばらくの間、女の子として頑張ってください。


「たぶん今回のお話はサーラ女の子のままになっちゃいそう?」

「うわあぁぁぁやだあぁぁぁ」



そういうわけでしばらくの間サハラ改めサーラで宜しくお願いします。


次回更新ですが、明日を予定しています。

お楽しみに

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