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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第7章 レドナクセラ帝都奪還
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女将さんの策

城内に入ると平伏したレドナクセラ領主ナーサイヴェルが待ち受けていた。

ナーサイヴェルは30前後と言ったところで、なかなかのイケメンで女性を襲わなくても十分寄り集まってきそうな顔立ちだ。


全員が城に入るわけにも行かない為、今はマルスとレイチェル、ワイプオールにカインにアベル、セッターとセーラム、そして俺だけで、外にはノーマと女将さんと旦那さん、カフィンとベジタリアンに兵を任せて、いつでも何かあった時に対応できる様に待機してもらっていた。





(わたくし)はここレドナクセラ領主を任されていたナーサイヴェルと申します。この度我らに勝ち目がないこと、並びに正統な所有権を持つレイチェル姫に城を返却するべく降伏をいたします」

「ならば今すぐここを立ち去れ。さすればレイチェル姫が望んだ様に手出しはしないと約束しよう」

「それなのですが…(わたくし)は己のしでかした過ちを罪を正したく、共に戦わせて頂きたいのです!」

「悪りぃ断る」

「は?」

「断るって言ったんだ。俺はあんたを信用できねぇ、だからさっさと出て行ってくれ」


断られたナーサイヴェルは這う様にレイチェルの前まで行くと、素早くその手を取り懇願する


「姫様、レイチェル姫様、(わたくし)はあなたに忠節を誓います。どうか、どうかお側に置いて使ってください。このままおめおめとガウシアン王国に戻れば(わたくし)は処刑されてしまいます!どうか、どうかご慈悲を!」


レイチェルは女将さんから聞いていたこともあり、手を握ってきたナーサイヴェルを引きつった顔で見つめていた。





「じゃあどうするんだ?」

「あたいらの姿を見たらナーサイヴェルと戦いになっちまうさね。だから、奴の性格を利用するんさ」

「利用?」

「きっと奴は降伏して仲間になろうとしてくるだろうさ。何せプリンセスを犯す絶好の機会なんて逃すこと絶対にしないだろうさね」

「ひぃ!」

「安心しなレイチェル、そこで提案なんだけどね」





「分かりました。ナーサイヴェル、貴方が加わる事を認めます」

「姫様!」

「レイチェル⁉︎」

「私達には少しでも戦力が必要です。こうして心を改めて加わるという者を放り出してはいけません」

「おお、おお、ありがたきお言葉。このナーサイヴェル、貴女のためにこの命を捧げ死力を尽くしてみせましょう」


臭え、臭すぎる。これ女将さんに言われなくても怪しさ出まくりじゃないか。





早速というわけでもないが、レイチェルと俺とセーラムは城の王室に入り、マルス達は別の部屋を割り当てられるように決められてしまう。


「勝手に部屋の割り当てまでしてきたな、あいつ」

「うん〜……うぷぷ」

「そうねぇ、ねぇサーラちゃん?」

「……」



そして俺サハラは今、女将さんのアイデアでレイチェルの侍女としてカフィンの魔法により女体化され、サーラとしてレイチェルの護衛をする羽目になっている。


「それにしてもサハラが女体化するとこんな感じなのね」

「うんうん」

「お前ら〜」

「可愛いって褒めてるつもりよ?それと今は女の子で侍女なんだから言葉使いに気をつけてよね」

「うぐ…わ、分かりました…レイチェル姫様」

「あぁ、なんか萌えるわぁ」



後々わかったことで、マルス達の割り当てられた部屋は豪華ではあるが、それは賓客様であり、レイチェルや俺たちのいる寝室とは距離がかなり離れていた。侍女である俺とセーラムはレイチェルの寝室の隣にある小さめの部屋にそれぞれ一部屋づつに別れて用意された。



夜になり夕飯時になると豪華なまさしく王族貴族が集まって食事をする様な場所で食事をする事になるのだが…


俺とセーラムの椅子はなく、食事も用意されていなかった。侍女が姫と同じテーブルで食事を取る何て事はないから仕方がない。


「ナーサイヴェル、なぜマルスと私の部屋は一緒じゃないのよ!」

「申し訳ありません。正式に婚約されたと聞かされましたが、まだ婚姻は結んでおりませんでしたもので、この様にさせていただきました次第にございます」

「レイチェル、ナーサイヴェルの言い分も確かだし我慢しよう」


青筋をピクピクさせながらもマルスはさも気にしていないよと言う装いをしている。

もちろんこれはわざとであり、女将さんの策でもある。


「奴の思い通りに泳がせれば直ぐに尻尾を出すさね」


その通りにさせたらこの通り、姫の、レイチェルの執政か何かの様な振る舞いを見せだしていた。


時間にして実に2時間以上に渡る食事を済ませると、やっと俺たちが食事を取れ、レイチェルの寝室に戻っていった。


「お風呂入る」

「おお、入ってこ…きてください…」

「侍女は付き従うものなんじゃないのかしら?」

「あーハイハイ分かりましたよ」



皇帝御用達の大浴場に向かい、レイチェルとセーラムが服を脱ぎだしたため、俺は背を向けて入り口を見張る様にする。


「何やってるのよサーラ、一緒に入るに決まっているでしょう?」

「アホか!俺は男だぞ!」

「今は女の子だよ、ね〜?」

「ね〜」

「お前らなぁ…いい加減にしろよって、うわあぁぁぁぁやめろぉやめてくれぇ」

「サーラ、命令です。入りなさい」

「……」


くそっと仕方なく服を脱いでいく。うおわ!ち、乳、乳がある。当たり前か、いや、これ俺のなんだよな、なんだか凄く変な感じだ。

そして……無くなってた。チーン…


ーーー恐るべし魔法




ざぶ〜んーーー


「わぁサーラしっかり女の子してるぅ」

「いっしょだぁ」

「は、ははは…」


マルス、俺は悪くないぞ……




これで本日の更新おしまいです。



「サーラちゃん」

「サーラ」

「うっさいわ!」

「声もすっかり女の子になってるわね」

「うんうん、サーラ可愛い」

「一応俺、年齢止まってるとはいえ、27歳だぞ」

「そう言うのはどうでもいいものなのよ?」


一応ですが、セーラムとサーラの服装は侍女っぽいものにされてますからね。


「ひらひらしていてなんかスースーして凄く無防備感があるぞ。よくこんなの履けるよな」

「慣れよっ」

「あたしもなんか心許ない」

「慣れよっ」

「今だけだ。セーラム今だけ我慢だ」

「うん〜」



次回更新は日曜日の定時更新になります。

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