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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第7章 レドナクセラ帝都奪還
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再会

ノーマ率いるヴァリューム軍は既にヴォルフの町を制圧し帝都へ向かっていた。


「間に合うであるか?」

「あんたがヴォルフで職人達に鍛冶テク披露なんてしてなければ、もっと早く迎えたさね」

「馬鹿かオメェはぁ?あ?」

「うっさいわ、この下戸亭主が!」

「あぁ⁉︎」


ヴォルフを出て2人が先頭切って走っている。女将さんは馬に乗って向かっている。

ノーマと旦那さんが乗って持ちこたえる馬がいないだけなのだが。


「3人仲がほんとにイイね」

「セーラム、どう見たらそう見えるんだ」


その後を追うようにセーラムはマナで紡いだ羽根で空を飛びながら、セッターは走ってついていく。もちろんオルも飛行(フライ)でついてきている。





「おお!見えてきたのである!」

「ん〜?まだ墜ちてないみたいさね」


帝都外壁で立ち往生しているマルス率いる解放軍の姿が見えた。


「まーるーすーー!」


セーラムが1人すっ飛ばして近づいていき、その後に約3000ほどのヴァリューム軍が続いた。


「間に合ったであるか!」

「うん?あんたが、その…」

「これは失礼した、儂がノーマ侯爵である!!」

「いやあんたもう侯爵じゃないさね」

「そうであった。今は解放軍の唯のノーマである」

「マルス、ノーマ侯爵がここまで兵を率いてくれた。その手腕は認めてほしい」

「おお、セッター久しぶりだな、お前が言うなら間違い無いだろう。ノーマ、感謝するぜ」

「勿体無い言葉である」

「そういうのは無しにしてくれ。今はレドナクセラ帝都の奪還を目的とした仲間同士だからな」


さて、と徹底籠城を決め込んだ帝都の門を見る。元々レドナクセラは帝都が他国との最前線にある事、対バルロッサ魔道王用だった為守りに入れば堅く、攻めに移れば強い難攻不落とされている。

外堀を掘られているため滑車などは使えず、魔法で門を破壊しても橋でも掛けなければ入り込めない。外壁は騎士魔法の跳躍(ジャンプ)でギリギリ超えられない高さになっており、ウィザードが飛行(フライ)を使えば超えられるが、その時は弓兵に狙撃されてしまう。

堅く門を閉ざされてしまうと攻め落とすのは非常に困難なのだ。


更に下手に近づけば外壁から弓兵が弓を射かけてくる為、敵にはどうやらウィザードがいない様なのが唯一の救いではあったが、早々近づけずマルス達も苦戦を強いられていた。

またマルス達率いる軍は冒険者だらけの為、攻城戦などそれこそ経験した事が無かったというのも大きな理由だ。

そして先のライレーブとの戦いで冒険者達のウィザードの対象物破壊の魔法は大半が使い切っていた。



「セーラムとオルなら門を破壊できるんだろうが、そうなると突撃が出来ない… ワイプオール、何か手立ては無いのか?」

「在りませぬ。あるとしても非現実的です」

「言ってみろよ」

飛行(フライ)などで入り込み門を開ける以外は、町を破壊する覚悟で攻城兵器か攻城魔法しか無いと言われております」

「それは奪還しても帝都に住む住民達に反感食らうのと、ガウシアンが攻めてきたら防ぎようが無いな。かと言ってのんびりもしていられない」

「あたしとオルくんで門を開けようか?」

「いや、それこそ思う壺だーーーん?」




冒険者達が一斉にガウシアン方面を見始め、気がついたマルスもそちらを見つめる。

かなりの大軍がこちらにものすごい速さで近寄るが、地響きなどは一切無い。


「あれは幻馬(ファントムスティード)!」


誰かがそう叫んだ。

ウィザードが魔法で作り出す幻影の馬で、走る速度は馬よりも遥かに早く、高位術者になると水の上はもちろん空まで走れるようになると言われている。残念なことに荷重制限が厳しい為、術者だけしか乗る事が出来ない。のだがーーー


「あれに乗っているのが全員ウィザードだって言うのか?」


そう、こちらに向かってくる全てが幻馬(ファントムスティード)なのだ。


「どうなさいますかマルス様、まさかあれだけのウィザードがガウシアンにいたとは思いにもよりませんでした」

「どうもこうも…決まってんだろ?」

「玉砕覚悟ですな」

「逃げるんだよ!」

「は?」


呆気にとられるワイプオールを無視して、全員撤退をマルスは言おうとした。次の瞬間突然目の前に懐かしい姿が現れた。


「よっ!」





「さ、サハラ、なの…か?」

「サハラ!」

「マスター!」

「うわあああざあらああぁぁぁ」


一斉に声が上がるのと同時に、サハラはセーラム、セッター、レイチェルに抱きつかれる。


「ごべんだざいごべんだざいほべんだざい」

「サハラサハラーうえ〜ん」

「マスター!突然いなくならないでくださいよ」

「うお!お前ら、汚ねぇ、レイチェル鼻水つけるな!セーラムも何がうえ〜んだ!セッター気色悪い離れろ!」


そうは言っても3人が離れる気配はなく、仕方なくサハラは話を進めた。


「マルス、キャビン魔道王国から1万連れてきた。好きに使ってくれ」

「サハラ…消息を絶って俺たちのことを見放したんだとばかり思ってたのに…お前って奴は…」

「おいおい、お前までまさかくっついてくるのは止めてくれよな。俺はそんな趣味は無いぞ」

「安心しろ、俺も無い。それよりあの時は済まなかった。謝って許されるような事じゃ無いのはわかってる…」

「なぁ、サハラ様よ、俺たちはいつまでその茶番見てないといけないんですかね?」


既に到着し、幻馬(ファントムスティード)を消して隊列を組んでいるカフィンが呆れ顔で見ている。


「サハラ、さっきキャビン魔道王国って」

「あぁ、彼はカフィン、このキャビン魔道王国1万の将だ。カフィン、彼はマルス、レドナクセラ帝国の…皇帝でいいのか?」

「まだ奪還できてないから解放軍のリーダーだな」

「カフィンだ。後でガウシアンと大戦になる時は本国から2万加わることになる。実戦経験が無いから指揮は頼むぜ」




ワイプオールはこのやり取りを見て己がどれだけ恥知らずなことをしていたのかを思い知ることになる。


「サハラ殿、何故ですか。あの時あれだけ言われたというのに何故我らを助けてくれるのですか?」

「ん?仲間や大切なものを守りたいと思うのに理由はいるのか?」


しがみついていたレイチェル、セーラム、セッター、そしてマルス達その場にいた皆んながサハラを見る。

そして、


「サハラ、あんた…」

「ざばば…」

「サハラ〜」

「マスター!」

「な、なんだよ」

「感謝…いたします…」


ワイプオールが最後に平伏するように言った。その目には涙が溢れていた。


その後は紹介も半端なまますぐさま作戦会議に移った。




結構書き進みましたのでもう1話更新です。



「調子に乗って更新してるみたいだが、大丈夫なのか?」


たぶん大丈夫です。


「ざばば〜」

「くっ付くなコラ。ここではほぼ毎回会えてるだろ」

「えへへ、でもこれでやっと揃ったって感じかしら?」

「僕いないんだけど」

「誰⁉︎」

「……キャス」

「あー、いたねそういえば」

「レイチェル酷すぎるよぉ」

「外見が子供でも貴方は私たちの誰よりも年上なんだから泣いたフリとかしてもだ〜め」

「ちぇ」

「で、これでやっとレドナクセラ奪還になってくわけだよな」


うーん、この後サハラには泣いてもらうことになるかも?


「また誰か殺す気か!」


それはお楽しみに。


「なんか凄く嫌な予感がする」


まぁまぁそれは後にしましょう。



そんなわけで、本日2話目の更新でした。

あと1〜2話更新したいと思ってますが、もうちょっと下書きして話が進められたら更新したいと思ってます。


それでは

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