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異世界喫茶『カフェ de ローズマリー』  作者: 杉崎 朱


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20/30

第20話 19:00*沖縄料理定食


 ———カラン・・・


「いらっしゃ・・・兄ちゃん、今日もか・・・」

 

 今はGW。連休開始3日目だ。1日目、2日目と真面目に出勤して会社のネット接続の不具合を治そうとしていた俺。しかし、昨日この店で出会った”デキ女”さんの話を聞いて、俺だけなんで一人で頑張って代休ももらえないのに人のために働いてるの?って思って考えを変えた。昨日は早めに切り上げた。そして今日はそもそも出勤をしていないのだ!!


「マスター!俺、今日仕事の合間じゃないんです!午前中映画観てきました!!」

「おおお!!やるじゃねぇかっ!!・・・あれ?ここで飯食って会社行くんじゃねぇだろうな?」

「行きません!だって、GWはまだまだありますから!!あと、直らなくても俺のせいだけじゃないんで!!」

「すっかりデキ女の弟子みてぇになっちまったなっ!まぁ、それで良いと思うぜ!シェフッ!ランチ一つな!!」


 ———カンッカンッ!!



 


 昨日とは打って変わって今日は喫茶店は賑わっている。カウンターへ向かうと先客がいる。



 

「おや!この間のお兄さんじゃないかい」

「あぁぁああーー!!貴方は!!?」


 俺が会いたくて会いたくて、でも次に会うのはかなり先だと思っていたあのお方がいらっしゃった!!!


「魔法使いのおばあちゃんっ———!!!」

「こんにちは」

「こんにちは!!またお会いできて嬉しいです!これからランチですか?!話してっていうか話聞いても良いですか?!」

「もちろんだよ」

「兄ちゃんエラく食い気味だなぁ!ばーさんも良かったな、若い兄ちゃんが興味持ってくれてよ!」

「本当、長生きはするもんだねぇ〜!嬉しいねぇ〜!!」

 そう、この魔法使いのおばあちゃんは本当に長生きで186歳という衝撃の事実だ!!


「本当に俺、おばあちゃんに会いたかったんです!!毎日来てないと逃しちゃうとか思ってたし、今日は仕事休みで、でも出勤して機械を直してくれって言われてたんですけど、昨日ここで会ったお客さんから”俺の責任じゃない”って言われてそうだよな?!俺だけが頑張るのって変だよな?!って思い切って今日は仕事に行かないで自分のやりたかった事やってたんです!午前中は映画観に行ったんです!!あ!映画っていうのは大きい画面で多くの人と新しく完成したばかりの物語の映像をお金払って観るんですけど・・・!!」

「そう!それは良かったねぇ〜!きっと、お兄さんがワタシに会いたいっていう願いが叶ったのは、”お兄さんが自分の願いを自分で叶え始めたから()()が寄ってきた”んだねぇ〜!」


「ツキが・・・寄ってくる?回ってきたではなくて・・・?あ、世界が違うから表現がちょっと違うのかな?」

「そうかもしれないね!でも、ツキが回ってくるのを待つんじゃなくて、お兄さんの気持ちがきっと引き寄せたんだよ」

「あ!引き寄せの法則とか本で読んだことあるんですけどそれですか?!それとも魔法的な?!」

「法則ってなんだい?ツキに法則も何もないよ」

「ですよねー・・・」

 難しい!!世界が違うとちょっとの表現とかも違うことが出てきて当然だよな・・!!

 あ、ちょっと待て俺。あまりにも興奮しすぎている!一度座ってマスターから差し出されたレモンの入った水を飲んだ。




・・・ーーー




 俺はおばあちゃんに聞きたいことがある!おばあちゃんの年齢は186歳!それはおばさんの世界の人がみんなそれくらい生きるのが普通なのか、それともやっぱい”魔法使い”だからなのだろうか?!よく漫画とかでも”強力な魔力を持つものは長命だ・・・”的なヤツ!あれなのだろうか!他は、前回この店にくる前に世界を2回も救ったという話!大体穴にから世界を救ったのだろうか?!災害、天災、他には悪の組織的な人たちからだろうか・・・!

 ってか、魔法使いと未来の予知とか予言って関係あるのだろうか?!この間俺が新入社員の女性の指導係のお役目御免になるのがわかってたような感じだった!


「おばあちゃん!」

「はい、何でしょう?」

「おばあちゃんは186歳なんですよね?!みなさんそのくらいまで元気なんですか?!それとも、魔法使いだから特別なんですか?!」

「ああ!みんなそれよく聞いてくるんだよね。でも、魔法使いじゃない私の娘は107歳まで生きたし、その子供である孫も魔法使いじゃないけどまだ元気な132歳だよ。魔法使いだった息子は99歳だったねぇ。その子供である孫は129歳だからあまり関係ないかな?強いて言えば、長命なのは家系じゃないかな?」

「なるほど・・・!家系でしたか!!」


 おばあちゃんの世界は俺の世界より元々が少し長寿なんだな。魔法使いでも、魔法使いじゃなくても、男も女も大差ない!強いて言えば家系・・・じゃぁ次!!


「世界を救ったというのは、何からでしょうか!!」

「前回は、ちょっとイタズラ小僧が悪さしたもんでねぇ。世界の時間をちょっといじったんだよ。あぁ、私の世界のじゃなくて、複数の異世界をちょっと巻き込む感じでね?だからその帳尻合わせみたいな事してたんだよぉ、なんか裁縫してるみたいで大変だったわぁ〜いろんな”つぎはぎ”みたいに汚くしちゃうもんだから、綺麗に縫い直したって感じよ〜」

「・・・複数の異世界の時間いじり・・・が、裁縫感覚・・・」

 やばい、簡単そうに言ってるけど多分めっちゃわかりやすく言ってくれてるだけで俺では到底想像もつかない。


「兄ちゃん、ばーさんがわかりやすく言ってくれてるだけで内容はかなりヤバいぞ」

「マスター・・・俺、少しも想像できてないんだろうなって思ってます」

「おそらくだけどな、”裁縫みたいに時間を綺麗に縫い直した”って言うけど、実際の裁縫よろしくの針と糸を使って”目に見えるモノを繋ぎ合わせた”訳じゃねぇだろう。目に見えない時間を、一般人じゃ目にすることができない魔法で繋ぎ合わせたんだろうよ。ったく!参るぜ!」

 あれだ。つまるところファンタジー小説そのものだ!!


「お待たせいたしました!本日のランチの”沖縄料理定食”です!!」


「おやまぁー!お肉の塊だわ美味しそうねぇー!」

「あ!ラフテーにゴーヤチャンプルだ!あと味噌汁もついてて豪華だ!」

「さぁさぁ!年寄りの話は一旦おいて美味しいご飯を食べましょうね!シェフ、ありがたく頂戴するわねぇ〜」

「シェフ、頂きます!!」


 豚の角煮である”ラフテー”は箸でさっくりと切れる!ほろほろじゃないか!!口に入れたら溶けて消えたぞ!!美味い!脂まで美味い!!俺は余韻が消えないうちにお米をかっ込んだ。



「んんん———っ!!!やばい美味すぎる!!」

「脂まで甘くて美味しいわぁ〜!ゴーヤチャンプルもしっかりお出汁がするから、後から少し感じるゴーヤの苦味が美味しく感じるわぁ〜!」 


 ———カンッカンッ!!



 やばい、美味い!美味い!おばあちゃんと夢中で沖縄料理を堪能した。




・・・ーーー


「あ、おばあちゃん。そういえば、この間俺がテイクアウトした日、帰り際に言ってましたよ?『明日には楽になると思うから、今日までよ。気楽にね』って。あれ、本当に次の日に苦労だったのがお役御免になったんです。どうしてわかったんですか?それも魔法だったんですか?」

「あぁ!あれね?あれは魔法というよりは———」


 ———カランッ


 おばあちゃんが言葉を発する前に扉が開いた。23:58分だ。えっと、何となく覚えがあるぞ・・・?えっと・・・?



「マスター、まだランチはあるだろうか?アチキにランチを一つくれな・・・おばあじゃないかっ!!」



 花魁さんだっ!!!



「あらあら!花魁ちゃんじゃないの!まぁー!今日も人形みたいに可愛くて綺麗ねぇー!!」

「おばあ!次会うのはもっと先か思っとった!」

「今日はたまたま来れたのよ!」


 ・・・やっぱりおばあちゃんに会えるとみんな嬉しいんだな・・・——————あれ?俺の話途中で終わっちゃった?!あれっ!?あれは魔法なの?!『魔法というよりは———』魔法というよりは何っ?!?!


 おばあちゃんに聞き直そうとしても、花魁さんとすごく楽しそうに話をしているから流石に割って入れない・・・!!男たるもの女子が話に花咲かせてるのをズカズカとスパイク靴で乱入するなんて出来ぬっ———でも聞きたいっ!!


「おい、兄ちゃん」

 そう葛藤していたらマスターに呼ばれた。まさかマスターが話に割って入ってくれるというのか?!マスターを振り向くと自分の小さい腕を爪で指していた。ん?腕?マスターの腕をよくみると時計がしてある。あ、マスター一応時計してるんだ・・・。時計・・・?


「あ!マスター!今日俺仕事じゃないから1時間で帰らなくていいんですよ!」

「あ、そうか兄ちゃんは帰ったから知らないんか・・・あの二人、この間初対面だったのに馬鹿みたいにウマがあってなぁ・・・あの調子で夜までずっと喋ってたんだよ・・・」

「夜まで?!?!」



 結局、おばあちゃんと話せたのは花魁さんが帰った後だった。しかし、とっても面白い答えを聞けた!!



『あぁ!あれね?あれは魔法というよりは———お兄さんを守護してる幸運の花の蕾の一つがちょうど咲いたのよ』



 俺の守護霊的なのはお花だという事らしい。

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