表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のリロードもレボリューションして欲しい  作者: はち
Are you lady? I’m lady.
26/30

act.26

 さて、襲撃者を撃退したらスタッフ達が文句を言ってきた。曰く、死んだスタッフの補填や賠償に付いてだ。


「そんな物は知らない」


 デッキチェアに腰掛け、弾を込める。


「そ、そんな物って!自分の失敗を認めない気か!?」

「僕の失敗?

 僕は何一つ失敗していない。ノーミスだ」


 シガリロを咥え、火を点ける。周囲の安全化が済んだのでミリアも戻って来た。


「巫山戯るな!ウチのスタッフが1人死んでしまった!」

「だから?

 何を勘違いしてるのか知らんが、僕の仕事は君等のお守りじゃない」

「何!?」

「僕の御守は赤城ミリアであって、君等雑多な()()()()()()()じゃぁない。僕に守ってほしければ億を払え。赤城ミリアは払ったぞ?お前等はどうだ?」


 紫煙を吐いてから、逆恨みをしてくる阿呆を睨む。阿呆は怖気づいた様に一歩下がる。


「神の前ではすべてが平等だ。しかし、僕は神じゃない。

 さぁ、金を出せ。僕は依頼と金の前では平等だ。さぁ、金を出せ。依頼を頼め」


 パンと手を叩くとスタッフは去って行った。何がしたいんだ此奴は?

 しかし、この程度の雑魚なら、マリーやデブ君に守らせてみても良いかもしれない。何故なら、狙われる事は先ず無い。


「マリー、デブ君」


 襲撃者をボディーバッグに詰めたデブ君と、滑り台の上で周囲を監視しているマリーを呼ぶ。


「はい」

「荷物の箱詰は終わりました」

「君達に簡単な課題を出そう。

 あの自意識過剰な連中から撮影が終わるまでの間護衛する依頼を取ってきなさい。

 金や期間は君達で決めること」


 二人は顔を見合わせ、それから頷くと先程の男に歩いて寄っていく。

 シガリロを咥え、暫くの間は休憩だ。


「お優しいこったな、旦那様よぉ?」


 其処にニヤニヤ笑うベルナドットがやって来た。

 手には飲み物が2つ。


「何がだい?」

「彼奴等に護衛なんざ必要ない。それは明白だ。

 だが、実際に危機に瀕した奴等はそうは思わない。そこで、奴等の安心と信頼を買う為にマリーとデブ(いないよりはマシ)を護衛の練習代わりに当てたんだろ?」


 其処まで考えて無いよ。


「そんなわけ無いだろ?

 今の所2人は今一この任務に集中が出来ていなかったり、やる気が空回りしている。

 だから、一旦、赤城ミリアの護衛ではない別の任務を付与したんだ。これは僕のミスだね。マリーは若過ぎるし、デブ君には早過ぎた」


 やれやれ。僕もまだまだだ。誰かに見られている雰囲気があったのでレーザーを入れたリボルバーを抜く。見れば、先ほどよりも近い位置にある給水塔あたりから何やら視線を感じる。バズーカカメラを再び構えるとギリースーツがまた居た。ふむ。成程。

 ありゃ、何だ?ギリースーツは僕が構えているようなバカでっかい、それこそバズーカ砲みたいなカメラを構えている。狙いは僕だった。ミリアの方にカメラが向いていない。

 バカでっかいカメラを下ろし、I see you とハンドサイン。それからベルナドットから貰った飲み物を一口。そして、思わず吐き出した。


「何だこれ?酒じゃないか」

「おうよ。

 朝からズッと撃ち殺してるんだ。酒、必要だろう?」

「いや?

 別に、必要ないけど?」


 脇のテーブルに置いて、コーラを頼む。炎天下に措いてのコーラ程偉大な飲み物を僕は知らない。


「酒は嗜む程度で良いんだよ。

 それに仕事中に酒は飲まない」


 今は仕事中。


「ふぅん。まぁ、良いや。

 旦那様が大丈夫って言うなら大丈夫なんだろうけどさ、辛くなったりしたらちゃんと言ってくれよ?」

「うん?

 まぁ、相談する事はちゃんと相談するよ」


 何が言いたいんだろうか?

 ま、良いや。


「ピーピング・トムが居る。

 何をしているのか分からないが、僕を偵察しているようだ」

「あ?なんだソレ?」

「知らないよ。

 あそこの給水塔。上にバズーカみたいなカメラ備えてるギリースーツがいるでしょ?」

「あん?さっき撃ち殺した奴か?」

「死んでないんだよ。

 多分、胸に何か隠してたんだろうね。ま、良いよ。覗き魔の目的は僕だ。何かをしてくる心算がないならそれはそれで良し」


 威嚇はしたから大丈夫だろう。

 ベルナドットはフゥンと返事をすると携帯を抜いて何処かに電話をしはじめた。

 暇になったのでベンチに腰掛けて、コーラを一口。この時代でもコーラがあるんだから凄いよな。まぁ、赤いラベルだがコカではない。

 公社製のコーラ。コシャ・コーラ?


「今日の撮影は中止するそうです」


 なにややる気満々の様子でマリーがそんな事を言ってきた。


「依頼人はなんて言ってた?」

「ショッピングして帰るそうです」

「了解。

 なら、君達は君達の仕事をして来なさい。僕とベルナドットは護衛対象を護るから」


 分かりました、とマリーが敬礼したので少し笑ってしまった。しゃっちこばってるね。カワイイ。

 ベルナドットはライフルを担ぎ、更衣室に戻ろうとするミリアの襟首を掴み、待ってろと告げていた。

 僕はコーラの残りを飲み干し、バズーカカメラをスタッフの一人に返してから外に向かう。

 外に出ると重装備の公社の人間を引き連れたコッホとアリスが人形師が言い争いをしていた。何やってんだろうか?


「やぁ、お疲れ人形師」


 取り敢えず、無駄な言い争いをしているので止めさせる。


「うむ!待っていたぞガンスリンガー!

 この下郎共に儂にこの玩具の所有権があると言ってやれ!」

「巫山戯るな!

 赤城ミリアの襲撃者は我々が一度精査する権利がある!」


 人形師の言葉にコッホが叫んだ。

 阿呆らしい。シガリロを咥えて火を付ける。アリスが居たのでチラリと見ておくとジッと僕を見ていた。怖い怖い。


「君等は大きく2つの間違いをしている。

 まず1つ」


 右手人差し指と中指でブイの字を作り、その内の一つを曲げる。


「その襲撃者は僕狙いだった」


 コッホが息を呑む。


「そして、その襲撃者を売ると言っただけでまだ所有権は僕にある。

 How much?(幾らで買う?)

「見せろ」


 人形師はボディバックを開くと素早く検分する。


「これなら億くれてやろう」

「ふむ。後から返せは無しだ」


 リボルバーを撫でる。


「あたぼうよ!

 さぁ、売れ!」

「売った」

「買ったぁ!」


 3日以内に持って行かせる、と人形師は人形メイドを見遣った。メイドは素早く襲撃者を担ぐと僕に一礼して人形師と共に去って行った。

 本当に嵐みたいな奴だ。そして、苦手だ。騒がし過ぎる。まぁ、最近はあの褐色角人形がお気に入りなのか見掛けるとアレにしか入っていないけどね。

 それはそれで有り難い。


「お前、自分が狙われている事を知っていて赤城ミリアの護衛を引き受けたのか?」

「まさか。

 僕を狙ったところで大したことはないのにね」


 否、だからこそか。そこそこネームバリューが有って大した事なさそう。つまり、舐められている訳だ。うーん、腹立つね。

 自分の弱さを呪うが良いって事か?

 また視線を感じた。あの覗き魔は何がしたいんだろうか?まぁ、良いや。

 お迎えの車に乗り込むと見知らぬジジイが居た。誰だコイツ?


「誰?」

「気にするな」


 ホルスターから銃を抜き、後ろで警戒しているベルナドットに警戒のハンドサイン。ベルナドットはミリアを脇に担ぐと建物のに。


「たとえアンタが公社のエライさんでも僕は撃ち殺す。

 所属と目的を名乗れ」


 これみよがしにハンマーを起すとジジイはフムと感心した様に頷いた。


「若い頃のシェリフにそっくりだな。

 私は公社の総会で議員をしている一人でな」

「成程。それで?」

「ウチの娘にね、説教して欲しいんだ」


 何いってんだこのジジイ?


「おーい!大丈夫か?揉め事か?」


 銃をローレディで構えたベルナドットがこちらを見ていた。なので手を挙げて問題無いと示す。


「頭の逝かれた爺さんの相手をしているだけ!」

「どんなジジイだ?殺すか?」


 ジジイを見る。


「名前は?」

「トンプソン。

 ジョン・T・トンプソン」


 ジョン・トンプソンね。


「公社の議員の一人でトンプソンってジジイさ!」

「バッカお前!

 そいつ、公社の総務部部長だぞ!」


 つまり、偉いのか。

 チラリと見れば名刺だ、とプラスチックのカードを貰った。


「これは御丁寧に。

 僕のもどうぞ」


 このマッポな世界で誰が貰うのよとエマにバカにされた名刺を返す。ね?役に立つだろ?


「取り敢えず、安全っぽいからミリアを乗せるぞ!その車で良いだろ!」


 まぁ、良いか。

 周りには軽装甲車も居るし。下手な護衛よりも1000倍安全だ。ベルナドットにオッケーと手をあげると、ミリアを担いで小走りにやって来る。

 扱いが雑だよねぇ。ミリアも怒ってるし。


「おら爺さん奥に詰めな」


 そして、ミリアを押し込み、自分もリムジンに乗り込むので僕もそうする。

 ベルナドットは爺さんことトンプソンを繁々と眺めたあとに僕を見た。


「なんでこんなおえらいさんがここに居るわけ?」

「反抗期の娘に説教できないと泣きついて来たんだ」


 掻い摘んで説明すると、阿呆らしいと返された。


「元はと言えば、君にも問題があるんだよ。ガンスリンガー君」

「ドン・マルコーニのことなら僕は無関係だよ」

「そんなわけないだろう。

 君は重要どころを殺し過ぎた。お陰で裏社会は群雄割拠だよ。三國志って分かるだろ?」


 千人殺すと褒められるゲームしか知らない。


「軍師はビーム出すんだろ?」


 ぼくしってる。


「はぁ?

 まぁ、知らないなら良い。取り敢えず、マルコーニの奴が持病を悪化させてな。娘が代理でマルコーニ家を指揮してるんだ」


 だから何だよ。


「それで?」

「ウチの娘がね、そのマルコーニの娘と同級生でね」

「つまり、マルコーニ家を牛耳って裏社会で悪さでもしてるのかい?」

「そうなんだ。

 それをどうにかして欲しい」


 無理だろ。何いってんだよコイツ。

 ベルナドットを見ると全く興味ないと言う顔でミリアの為に用意された筈のフルーツ盛りを一人で独占し、ミリアに関して言えば何かの雑誌を読んでいた。

 孤立無援ってわけか。


「僕は学校の先生でも教会の牧師でも無い。

 お説教なんて知らないよ」

「取り敢えず、近い内に君の下に娘を向かわせるからよろしく頼むよ」

「話を聞けよ」


 ジジイはここで停めてくれと告げ、颯爽と出ていった。

 装甲車もジジイの退場に合わせて数を半分減らし、御詠歌気持ち寂しくなる。まぁ、それでも過剰戦力な訳だがね。

マルコーニの娘さんの名前考えて無かった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ