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俺のリロードもレボリューションして欲しい  作者: はち
Are you lady? I’m lady.
25/30

act.25

 昔、彼女が水着にきがえたらって言う映画があった。


「君達は何をしてるんだ?」


 近くのビルから出歯亀をしようとしていたストーカー共を撃つこと30分。そろそろ本格的にすることが無くなってガンスピンの練習でもしていた所に護衛と護衛対象が現れたのだ。


「どうだ?欲情したか?」


 ベルナドットが際どい、マイクロビキニとスリングショットを組み合わせたような恰好で煽情的なポーズをとって見せる。マリーはフリフリが付いたワンピース型でミリアはパレオを巻いてビキニだった。


「まぁ、良いか。

 ベルナドットは何時もとほぼ変わらないから欲情もクソもないよ。マリーはまた今度連れてきてあげるから着替えて来なさい」


 頭が痛くなって来た。

 新しいシガリロを咥えた所で、プールの監視員がやって来る。


「お客様!」

「君、それ以上は近付くな。

 用件があるならその場で言え。それ以上許可無く近付くのであれば殺す」

「お煙草はお止め下さい。他のお客様にご迷惑になるので」


 何を言っているんだ?周りを見回し、他のお客様とやらを探す。見れば暇そうな金持ちのババアが3人に良くわからん中年のおっさんが2人、プールで疲れた様子で浮かんでる。


「銃を持ってウロウロしてるのに今更タバコの1つや2つで文句を言うな。

 分かったらプールを監視してろ。それと、赤城ミリアが出て来たからとイキるなよ。カメラも出すな。カメラ出した瞬間にお前の頭にもう一つ穴が空くぞ。

 この場でカメラ出して良いのはあそこのカメラマンだけだ」


 他の業務員にも伝えておけよ、と解放してやった。


「やれやれ」


 正直、赤城ミリアとこの世界を舐めていたな。碌でも無いこの世界ではアイドルなんざ飛ばず泣かずだと思っていたがそうでも無いらしい。

 ミリアは今、メイク係に何やらメイクをされていた。ベルナドットは用意されたデッキチェアに寝転がり、グラサンをしている。仕事をしろこの駄犬め……


「ちょっと!」


 そして、パラソルの下に用意された飲み物を手に取って匂いをかぐと、ミリアが怒ってきた。


「何か?」

「それ!私のよ!」


 緑黄色野菜野菜とフルーツをミキサーした奴、みたいな飲み物は確かに僕向けではない。


「こんなヘドロみたいな色の飲み物を飲むのか?

 臭いは青臭いし……」


 近所の排水溝がそんな感じの色だぞ、とは言わない。 


「体に良いのよ!」

「そうか」


 なら好きにしろ。僕は健康には余り興味は無いんだ。

 デブ君の隣に向かう。彼は真面目に周囲を睨んで機関銃を握っていた。


「向こうで休むと良い。

 それと彼処のバカ犬に仕事をしろと言ってきてくれ」

「分かりました」


 デブ君は頷くと機関銃を置いたままでベルナドットの方へ向かった。

 僕は再び近くの高層ビル等に視線を動かし、それから周囲を見る。

 よく見れば其処此処にマフィアやら何やらの連中が居り、僕を見ると頭を下げていた。市事でも仲間に成ったり敵対したりした事のある連中ばかりであった。

 なるほどねぇ……ここはそういう連中が多いのか。

 暫くするとでっぷりしたオッサンや体中に傷のあるオッサン共が美女を引き連れてやって来る。その周りには銃で武装したマフィア。

 それを見たデブ君が大慌てで機関銃に走って戻り、ベルナドットもアサルトライフルを両手で握るし、公社のボディーガード達も焦った様子でサブマシンガンや拳銃を取り出した。


「おやぁ?

 これはこれはガンスリンガー!」


 そして如何にもボスですと言う感じのオッサン共の一人が目敏く僕を見付けるとよって来た。アロハに短パン、ビーサンだ。


「どうも、トマーゾさん」

「ああ、覚えていてくれたかぁ!

 いやぁ、君に名前を覚えて貰えるとは、私の自慢になるねぇ?」


 この男はトマーゾ。トマーゾ・フォルゴレ。例のマルコーニ事件の後に出て来た新参だが中々の勢力を持ってきた。金払いの良い連中だ。


「今日は何の集まりで?」

「なぁに、定例会さ。

 君は?」

「赤城ミリアって人の護衛ですよ」


 知ってます?と尋ねると勿論だと答えられた。そればかりかトマーゾは何やら他の組のボス達にミリアのコトを話し始めた。

 おいおい、止めてくれよ。面倒事が増えるだろ?


「なぁ、ガンスリンガー?

 物は相談なんだが「断る」


 トマーゾに告げると苦笑される。


「そう邪険にするなよ、ガンスリンガー」


 仕方無いので撃鉄を起こす。


「勘違いするなよ?僕は友達じゃない」


 殺気を込めて睨み付けるとトマーゾやその後ろのボス連中の顔が固まる。


「あんた等は遊びに来たのかなんなのか知らないが、僕は仕事中だ。

 僕の仕事ぶりは知ってるはずだぞ?」

「わ、分かったスリンガー……邪魔して悪かったな」


 トマーゾの言葉にボス達は頭を立てに振っていた。分かればよろしい。

 にっこり笑っておく。


「部下に銃口の向きだけ気を付けるように言ってくれ。

 一人でも面白半分で銃口が向いたらここは()()()になるからね」

「ああ、厳命させる。

 邪魔したな」

「良いんだ、わかってくれれば」


 トマーゾ達を追い返す。

 ライフルを担いで、周囲を見る。僕が視線を向けた所に居るマフィア達はサッと視線を逸らせるのだ。何だよぉ~別に取って食う訳じゃないぞぉ?まぁ、良いや。

 シガリロを咥え、火を付ける。ミリアを見れば撮影をし始めていた。退屈な仕事だ。そこでふと視線を感じる。何処だ?


「ふむ」


 首を巡らせてみれば、遠くに見える鉄塔あたりだ。ライフルを構えてピープサイトを覗けば、もぞもぞ動く何かが見えた。距離は1200あたりか。

 これで当てるのは流石に無理だな。弾が落ちるし。マリーを見るが、たぶんマリーの腕でも無理だろうね。レーザー弾なら当てられるかな?コートを翻してリボルバー用のスケルトンストックを取り出してアーミー用に新調した大口径のレーザー弾を一発装填する。


「何してんだ?」


 準備をしていると暇そうなベルナドットが寄って来た。


「こっから1200位の所に鉄塔が立っているだろう?」

「ああ、見えるぞ」

「あそこに何か居るんだよ」

「はぁ?」


 ベルナドットが目を凝らす。すると、確かに何かしがみついてるなと頷いた。それから脇に居たカメラマンにバズーカみたいなレンズを付けたカメラを分捕るとそれを覗いてパシャリ。

 それを僕に見せて来た。見れば、こっちも同じようにバカでっかい光学レンズを取り付けた望遠鏡とカメラを鉄柱に括り付けたギリースーツが居る。都市部の迷彩をしているのが、所詮はギリースーツ。目立っている。バカなのかな?

 取り敢えず、構えて撃つ。キシュリと空気が軋むような音がした。ベルナドットが再度カメラを覗けばギリースーツが消えていた。


「ウッソだろ、お前……距離1200だぞ?

 直接照準でぶち当てるとか戦車か対戦車砲か対空レーザー位だぞ……」


 ベルナドットが僕を呆れた顔で見ている。


「レーザー弾はまっすぐ飛ぶんだ。銃をブレさせなければ誰だって当てられるよ。マリーでもデブ君でも」

「何だその理論は。

 お前と普通の人間を一緒に考えるのを止めろ」


 まるで僕が普通じゃないと言外に言うのを止めろ。


「まぁ、良い。

 これだけトムを殺したり脅したんだから暫くは大丈夫でしょう」

「トム?誰だそれ?」

「覗き魔の別称さ。

 昔、すごい美人な領主のお嫁さんがいたんだ」

「昔って何年前だ?」

「僕が寝る前の更に千年近く前。

 で、そのお嫁さんは旦那の領主に町にかける重税を減税するよう度々頼んだんだ」


 しかし、そんな妻の行動をよく思わぬ夫は妻に難癖つけて裸で馬に乗せて街を歩かせる刑にした。

 妻に恩義を感じていた町人はそんな妻の姿を見ないように顔を背けたり目を瞑ったが、一人だけ、ピーピング・トムと言う男だけは裸を見た。そんな伝説だ。


「へーそんな話があったのか」


 自分から聞いてきたのに凄まじくどうでも良さそうなのが腹立つ。


「休憩しまーす!」


 そして、下らない話を30分程したところでスタッフの一人がそう叫ぶ。

 取り敢えず、報告しておくかな。



「先程1200メートル程先に覗きがいたから追い払って置いた。

 あの根性は少しばかり尊敬するがね」

「せ、せんにひゃく?

 そんな豆粒位じゃない……」

「相手が動かず、こちらも動かない。

 それならレーザーなら当てられる」


 言うとマリーとデブ君は何を言っているんだ此奴は?という顔でベルナドットを見ていた。


「そいつの話は人間基準じゃねぇんだ。

 伝説だと思って聞いとけ」

「「はい」」


 二人が揃って返事をするのが尚腹立つ。


「それで、貴女は何時までその格好で居るつもりなんで?」


 布面積のかなり少ない水着にも関わらず仁王立ちでアサルトライフルを担ぐベルナドットを見る。周りの男達、スタッフはオッカナビックリ周りを忙しなく歩いているし、マフィア達は鼻の下を伸ばすこと無く監視している。

 色気とか全く無い。


「あん?

 そうさね、プールから出るまでだね」


 ニカッと良い笑顔を浮かべる。溜息しか出てこない。

 マリーは流れるプールで流れているおっさん達を羨ましそうに眺め、デブ君はガッツリマフィア達を見ていた。脅威判定がまだまだだね。

 まだまだ教える事は一杯だ。

 なんて事を考えていると、プールサイドに新しい客が入って来る。客というかアンドロイド。いや、全身義体か?

 兎も角、怪しいのがやって来た。


「ありゃ、厄介だね」

「うん」


 ベルナドットが担いでいたアサルトライフルを下向き安全姿勢に持ち直す。


「マリー、ミリアの近くに行きなさい」


 プールを眺めているマリーに声を掛け、ベルナドットに頼む。ベルナドットは頷いてマリーと共にミリアの側に。

 僕はデブ君に援護せよとハンドシグナルを送ってから、義体に近付く。


「其処から一步でもこっちに来たら撃ち殺します」

「え?」

「レーザー弾で貴方の目を撃ち抜くことも可能です。

 電脳化してあっても死にますよ」


 腰のリボルバーを抜く。

 義体はニッと笑うと僕に右手を向ける。後ろに倒れながら撃発。

 義体は素晴らしい反応で頭をクテンと倒し、一撃を避ける。右手は高出力のレーザーが発射されて、僕は避けたが僕の後ろにいたスタッフの一人が上半身を消失させた。


「ベルナドット!」

「おうよ!」


 ベルナドットはアサルトライフルを片手に撃ちながらミリアを小脇に抱える。


「マリー!着いてきな!

 デブ!お前は旦那の援護だよ!ぶっ放しな!」


 撃ちますとの声でデブ君はM60を撃ち始めた。ダンダンダンと30口径の徹甲炸裂弾が発射され、辺りを問答無用でクレーターにしていく。

 マフィア達も自分達のボスを逃しながら義体に向けて銃を撃つ。


「うぉお?

 撃たれる撃たれる」


 しかし、どの弾も義体には然程通用しておらずデブ君の弾が当たって炸裂する際にその余波で軽く揺れる程度だ。

 中々に硬いね。


「やれやれ、赤城ミリア如きに何でこんな物まで出て来るのかね?」


 遮蔽物に転がって隠れ、周りを確認。

 敵は1人だが、余りにも強い。まぁ、強かろうが弱かろうがどうでも良い。

 僕の仕事は時間稼ぎだ。ホルスターに銃を収め、立ち上がる。シガリロを咥えて火を点けると、銃声が止み辺りは静かになった。


「お?やる気?」

「君の目的を聞こう。その身体は公社製かい?」

「公社から盗んだ技術をふんだんに使ったよ!

 目的は、お前を殺す事さ!」


 狙いは僕だったらしい。


「僕の命にそこまでの価値があるのか?」

「さぁ?

 でも、お前を殺せば俺はこの界隈で名が上がるだろ?」

「成程なぁ……浅はかってのは君みたいなバカを指す言葉なのか」

「あ゛?」


 コートをバサリと翻し、銃を見せる。


「構えろ、()()

 その武器は()()()()()()()()じゃないんだろ?」

「ぶっ殺す!!」


 咥えたシガリロの灰が落ちるのを皮切りに、義体が右に飛び退きつつ掌に仕込んだ例のビームを撃つ。

 僕はそれに対して大きく、右に飛びつつ空中でドロー。一発目を発射。狙いは右手の小指だ。引き抜く前にコッキングしてあるので最早抜くと同時に一発撃てる。2発目を撃つために右手の親指でハンマーをコック。手首に当てる。これで完全に斜角は僕から外れた。

 3発目は左手親指。コックと同時に発射して奴の半開きになった口。義体でも喉奥は柔らかいのだ。そこを狙って頚椎神経をぶった斬る。

 4発目は左手中指。5発目を左手薬指。最後6発目は、地面に落ちると同時にローリングからの発射。ダメ押しの一撃だ。目を狙った。


「やれやれ、中々硬いね君は?」


 首の半分が切れかかっているので動けないが、生きている。


「だが、これでさようならだよ」


 レーザー弾を装填して頭部に6発。

 やれやれ、人形師にでも売ろう。迷惑料だ。

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