act.17
コンボイ輸送ってのは本来、輸送船団の形を陸上に当てはめているだけだ。船団中央に商船や輸送船を置いて周囲を軍艦で囲って運んでいく。
だから、本来はこの輸送船を装甲車で囲うのが適当なコンボイ輸送になる。
「火星は思ったよりも緑が多いな」
先頭には対戦車用レーザー砲をのっけたハーフトラックや機関銃をのっけたテクニカルが走っている。
僕はベルナドットの所の狙撃兵、片思いと共にテクニカルに乗っている。後ろには50口径の機関銃を乗っけており、そこにもベルナドットの所に傭兵がのっている。
操縦は片思い。僕は操縦が苦手なのだ。
「煙草を吸っても?」
「……」
話しかけても無視された。沈黙はYesという事にしよう。
煙草を咥え、火を付ける。煙草ってのはスパスパ吸うのは素人らし。クールスモーキングとかいう吸い方が本来正しい吸い方だとか。こっちに来る前に初めて知った。ゆっくり、細いストローで水を吸う様に吸うらしい。
そうする事で煙草本来の甘味とか旨味が出るそうだ。クールスモーキング。目安は、すった灰がほんのりと輪の様に光るのが良いらしい。僕等の場所は最右翼。だから右側を見ていればよい。ちなみに、車は左ハンドル。主に警戒は僕だ。
ふと、何か不自然に光るものが見えた。この近くに原住民は勿論敵も味方も居るはずがない。つまり、あの人工的な光は敵であろう。
ゆっくりと紫煙を吐いて、リボルバーを抜く。
「右に敵発見」
そして、窓を開けて44口径で狙う。距離は多分200ぐらいだ。弾はレーザー弾。だから射程距には十分。射程距離内なら普通に当てられる。
「は?」
引き金を引く。その横にももう二発程。一人だけってのはありえない。多分二人。念のために更にもう一発って感じ。
ビギャンと空気が軋む音がする。レーザー特融の発射音。エンジン音であっという間に消える。
「よし。脅威排除」
「全車停止3!2!1!
全周警戒!右側に敵斥候!」
片思いが叫ぶと、車列が止まる。そして、直ぐにバイクが2台、走っていく。そして、緑色の発煙弾が上がった。安全化の合図だ。そして、バイクが何かを荷台にのっけて返って来る。暫くするとバイクが僕等の隣に停まった。
「敵は三匹、うち二匹は即死。もう一匹はまだ生きている」
頭を撃ち抜かれた宇宙人が2人で、胸に一発受けたのが1人。
「生き残ったのはどうするんだい?」
「捕虜に成る事を求めている。
この船団を預かってるのはアリスだ。彼女に聞こう」
つーか、何でみんな僕に聞くんだ?普通は、雇い主じゃないのか?
テクニカルから降りて、死体を道路わきに並べる。持ち物を確認する。服は普通にパワーアーマーだ。斥候用だしレーザー弾なら頭部装甲ぐらいなら撃ち抜ける。これが前線用の重パワーアーマーならレンズを抜くか首元や股関節のつなぎ目を狙うしかない。
まぁ、そうなると通常弾でもレーザー弾でも変わらない。まぁ、レーザー弾は撃った瞬間に着弾地がレーザーで焼けちゃうので失血死を狙う事は出来ず、必然的に首狙いになる。だったら通常弾の方が色々と狙う場所が増える。
「スゲーな、200メートルを一発でヘッドショット。移動しながら。どんなライフル使ったんだ?」
バイク兵がサブマシンガンを構えて周囲を睨みながら話しかけてきた。
「此奴だよ。
普通のリボルバー」
ニューモデルアーミーを見せると全員がこっちを向いた。
「たかだか200メートルだ。お師匠なら実弾でも目に当てて殺す。僕は生憎そこまでの腕は無いからレーザーさ」
しかも、一人は生き残った。胸に当たったのだ。クールスモーキング。ふぅーっと紫煙を吐きだして捕虜候補を見る。
「他に敵は?」
「黙秘する」
36口径に変える。弾もレーザー弾から実弾に。
「目的は?」
「黙秘する」
煙草の灰は積極的に落としに行ってはいけないらしい。自分から落ちるぐらいが丁度良いらしい。灰がポロリと落ちた。
「因みに、僕等は軍人じゃない。軍人じゃないから君等が僕等を捕まえても僕等は捕虜に成らないし、何方かと言うと君等の所の法律で戦争犯罪者として処刑される。
僕等も軍人じゃないから君等を僕等の仲間を殺した奴としてリンチしても軍人が文句を言う事はない」
紫煙を顔に吹きかけ、首裏にあるボタンを押してパワーアーマーを強制解除。
宇宙人の体は華奢っぽく見える。甲殻類のそれと体の構造は似てるらしい。だから、弾丸を弾く。
「ソイツがアキが捕まえた宇宙人?」
そこにアリスがショットガンを抱えてやって来た。何故かついて来たコッホを伴って。
「うん。
丁度今から此奴に尋問しようと思ってね」
36口径を宇宙人の口に突っ込む。
「どうにも口が堅いからさ、口をもう一つ増やしたら喋りやすくなるんじゃないかなって。
どう思う?」
周りの連中に尋ねると名案だと答えが返って来る。宇宙人の瞳を見ると僅かに不安が現れた。此奴等にも感情が有るのか。
「じゃ、口を増やすか」
引き金を引けば、ビガッと陶器が割れるような音がして頬が砕ける。そして、白い血が噴き出した。
「グォォオ!!」
「あー、痛そう。
それで、口が大きくなったから話せるかな?」
リボルバーを引き抜いて彼のインナーで涎を拭う。
「さ、敵の数と君の目的は?」
「ご、拷問には屈さん!」
そうか。車に戻ってショットガンを取り出す。
「もっと大きな口にするかい?」
ガチャコンとやったら宇宙人は震えだした。
「お、此奴等の端末を見付けたぞ」
「あら、残念」
宇宙人が何処かホッとしていた。何ホッとしてるんだろうか?
「じゃ、君は用済みだ」
「え?」
ホルスターから36口径を抜いて眼孔に向ける。宇宙人も目は弱い。
シガリロを見たら火が消えていた。可燃材が無いので吸っていないと火が消えるのだ。しょうがないので火を付けて差し出す。
「吸うかい?」
「我々はそんなものはやらない」
「最後に言い残す事は?」
「条約違反だぞ」
引き金を引く。
「よし此奴等を見せしめにするぞ」
引き金を引いたら周りに居た傭兵連中が針金や工具、木々を片手に見事な見せしめを作り出した。逆効果じゃないのかなぁ?という気持ちもあるが、まぁ、彼等は基本蛮族だし。しょうがないよね。
アリスが解体し始めた宇宙人達を見て急いで何処かに走り去る。僕はテクニカルに背中を預けて一服する事にした。その見せしめは10分程で完成する。首が斬り落とされた宇宙人。宇宙人の足元には彼らの首。口の中には彼等の一物が押し込められていた。
やることが蛮族だ。全く。グロイ物はあまり好きじゃない。
「どうした?ビビったわけ?」
片思いがバカにしたように笑ってくる。
何なんだろうね、本当に。突っかかって来るの止めなよもう。
「僕の寝る前の世界にあった見せしめの刑が有るんだ」
「何よ」
「要らないタイヤ、あるだろう?」
脇に転がっている壊された装甲車等を見る。
「ええ」
「それを取り外してね、チューブも。外側だけにするんだ」
丁度、ホイールも外れて転がっているタイヤを拾い上げて見せる。
「これをね、首に掛けるんだ」
ハイと片思いに渡す。片思いはそれを確かめる。何処にでもあるような平凡なタイヤだ。
軍用だからちょっと重たいけどね。
「で、ガソリンを掛けて火を付ける」
「つまり、焼き殺すのね?」
「ああ、そうだよ。
今度見せしめするならやってごらん。楽しい事に成るから」
ニッコリ笑って車両に乗り込む。
助手席に座って早く行こうと告げると睨まれた。
「楽しい事に成る、とは?」
「楽し事だよ。
どろどろに溶けた熱いゴムと火の付いたガソリンが皮膚を焼け爛れさせる。そして、余りの熱さにその場に悶える。すると、余計に油とゴムが広がる。つまり、火が広がる。上半身に火が広がると、必然的に口や鼻に炎が入る。知ってるかい?火で焼かれて死ぬ方のって一番辛いんだって。
僕はそんな死に方御免だけどね。で、生き残った人間もその後遺症で酷く苦しむ。うーん、思い出しただけでもキモイね」
あれは、検索するべきじゃなかったな。
「……ふむ」
「何よ」
「あれは敵かな?味方かな?」
空にヘリが飛んでいた。少なくともこの地区は僕等が抑えている。僕等、というか所謂敵性宇宙人と戦う連中だ。そして、抑えていると言うのは航空優勢とかそういう意味だ。つまり、常識で考えればあの航空機は味方のだ。ただし、気に成るのはあれが攻撃アプローチに入っている感じに飛んでいることだ。
機首をまっすぐこちらに向けて向かって来ている。
「味方でしょ?」
直後、航空機がチカリと光り、先頭を走る護衛の車両が吹き飛んだ。対地攻撃用のレーザーかレールガンだろうね。
「敵だね」
その次の瞬間、無線機が一気に騒がしくなる。軍の通信網に勝手に入っている奴で、所謂盗聴無線だ、
ガヤガヤと騒がしい無線を冷静に聞けば、敵が大挙して押し寄せて一部の地上部隊と大量の航空機が後方へと抜けて行ったとのこと。
なんだ。前線だってのに平和ボケしていたツケが回ったのか。
そして、その取り立てに僕等が巻き込まれたらしい。とんでも無い事だ。シガリロを咥えて火を点ける。直後、対空砲を載せたテクニカルがあざやかな場面対空レーザーを放つ。ビャビャビャとSFな音を響かせて弾は飛んでいく。
「戦線突破された見たいだね。
どうする?」
「どうすんのよ!?」
パニクってるねー
取り敢えず、外に出るか。向こうは完全にこちらを捉えている。対空砲も応戦しているがフレキシブルにに動く機首部のレーザーガトリングガンによって車列は洒落にならない損害を受けている。
攻撃ヘリ相手には専門の対空車両や携行式の対空ミサイルが必要だ。だが、どれも中々良いお値段がする。だからテクニカルでお茶を濁す。
民間の車は軍用と違いかなり良いサスペンションを使っている。それが例え型落ちの叩き売りされたピックアップとは言え。
対空砲が撃つ度にそのバネの効きすぎるサスペンションと軽量な車体のせいでピックアップは大きく左右に揺れ動き弾は大きく上下に散らばるのだ。
「こりゃ駄目だな」
なんて思っていたら対戦車レーザーを乗っけたテクニカルがヘリの方に舳先を向ける。何すんのかな?と見ていると、ジグザグに飛んでいたヘリに向けてレーザーを発射。
ヘリのメインローターに直撃させて、墜落させたではないか。
「凄いな。あれは使い方を間違えているぞ」
そんな事を言いながらやっぱり混乱しながら無線機に何か怒鳴ってる片思いを見る。やれやれ。
外を見るが戦端はまぁ、近い。取り敢えず、帰るか。
「これは物資輸送どころじゃないな」
シガリロを咥えて火を点ける。やれやれ。
「アンタはなんで余裕ぶっこいてタバコなんか吸ってんのよ!」
「慌てたって仕方ないだろう。
敵は目の前だ。依頼主は何もオーダーを出さない。僕は待つだけだ」
外を見るとショットガンを抱えたアリスが傭兵達を連れ、顔を真っ青にして歩いて来た。
マスターが現れたわけだ。
車両から降りる。
「やぁ、どうする?」
「帰ります。
私達の依頼は荷物を前線の基地に届けること。基地が無くなり、荷物も半分吹き飛んだので帰ります」
良い判断だ。
「じゃあ、帰ろう」
灰を落とし、車両に乗り込んでもと来た道を猛スピードで逃げ帰る。
依頼自体は失敗だが、受取先は壊滅だ。
残った物資はベルナドットがさも当然のようにギッて報告する際も口添えしてくれたので問題は起こらなかった。まぁ、先方も一回の定期輸送が失敗したとかどーでも良く、更に言えば前線はどうだっのか?と聞いてくるのでこれ幸いと高値で売ってやった。
大した情報でもないのに100万で売れたのは驚きだ。
ピエール瀧捕まっとるやんか……
ドルフロやってるけどM1897来たし多分来ねぇだろけどM1858とM1860来たら主人公の装備部隊作れる
マニアック過ぎてM1860は多分来ないだろうね




