月の涙 #6
「ここで、私たちと一緒に、暮らしてくれませんか…?」
え…?
それは…どういうこと?
あのシェアハウスに戻らず、ここで暮らす…?
それって…
「オリヴィアさん…?」
俯いて、オリヴィアはその口から言葉を紡ぐ。
今まで、溜め込んでいたものを吐き出すかの方に。
その姿は、あまりにも…
「私…実は、あなたたちの説得を任されているんです。ここで…暮らせるよう、平和的に説得をって……でも、」
辛そうだった。
オリヴィアが顔を上げる。
その顔の瞳からは、涙が零れ落ちていた。
「私…ここで、孤立しているんです。
ルビアさんは、近寄りがたい方ですし…スピアさんは国王様に直接使えているので…あまり話す機会がなく…」
僕は蚊帳の外だったが…口を挟む。
「ルビアさん…に、スピアさん?」
「……ルビアさんは、ルビーの宝石精霊で、女性です。スピアさんはスピネルの宝石精霊で男性です。」
「お願いです…!私、友達が欲しいんです…!だから、どうか…」
「…いいですよ。」
そう言って、クリミアは微笑む。
「ここで、私と一緒に暮らしましょう。」
そう言って、クリミアは目を伏せて笑った。
「そんな、え、クリミア…!?本当に…?!」
そんな…それって!
煌星荘に戻らず、ここで暮らす。
それは、あの四人が知ったら…
いや、そうじゃない。
その決断は…果たして、正解か?
ここの人間は、信用に値するのか?
クリミアは、「また」その道を選ぶのか?
クリミアは、それで幸せになれる…?
僕は…どうしよう…
「ペアさんは、どうしますか?」
僕は大きな決断を迫られていた。




