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キラボシダイアリ  作者: ランス
月の涙
12/66

月の涙 #10

「…僕はスピア・ロベルトというものです。スピネルの宝石精霊です…。ですが、ロベルト国王の側近をさせていただいております。」

そう、深紅の髪をした、軍服の青年は言う。


ここに至るまでの経緯。

どうしても人間を怖がるラピスが速攻で逃げを提案し。

「…いや、逃げる、来るな人間ッッ!!」

ホープがそれを反対して。

「おいラピス!話も聞かずに逃げようとするな!少しは話を聞け!」

「ッッ人間と関わりたくない!黙れ!」

そして喧嘩になりそうになったところをベルーが仲裁。

「2人とも落ち着く!いきなり暴れないで!」

そして、私がついていくことを提案して。

3対1の多数決で、どうにかラピスを説得し、ついていくことになった。

…ラピスは終始私の後ろに隠れている。

現在は森の外をでて、街を抜け、見知らぬ道を走り続けている…

あの大きい高級車の中に居る。

ちなみに運転手はスピアさんだ。

というか広いなこの車。


「…宝石精霊?」

スピアさんの言葉に、ラピスが私の後ろから顔を出す。

「あ、はい。あなたは…ラピスラズリの宝石精霊、でしょうか?」

「………う。」

いや『う』じゃなくてさ…

そう言ったきり、ラピスは再び私の横ろに隠れてしまった。

…人見知りの幼稚園児か!?

まあいいか…ラピスの過去は詳しく知らないけど、なにかよっぽどのことがあったのはわかる。

「わ、私はサファイアの宝石精霊で…スフィアといいます。

あの…今回のことに、あなたはどう関係しているんでしょう…?煌星荘のほかの4人は、どうなったんでしょうか?」

「確かに、それを説明していませんでしたね。説明しましょう。」

そうして、私たちはスピアさんから説明を聞いた。


どこかの貴族かと思っていたけど、まさかそんな…国王だなんて。

「…捕らえられた!?国王に!?」

その事実にベルーが声をあげた。

「…そ、そんな………どうして…………ぅ、お前…!お前、人間の手下なんじゃないのか!?お前、私たちを…!!」

ラピスがスピアさんを睨めつける。

「待て、落ち着けラピス。」

すかさずホープが止めに入る。

「離して!やめてっ!」

「落ち着けって言ってるだろ!」

「う、うぅう…」

落ち着いたかどうか…まだ、わからないけど、少し静まってくれた。

…ホープとラピスは、相変わらず犬猿の仲だ…。


スピアさんに質問する。

「…その、私たちはこれからどこに連れて行かれるんでしょうか?それから、スピアさんの目的とか…教えていただきたいです。」

「これから向かうのは、別荘です。数年前にまあ…僕が、頂いたものです。あの任務の後、別荘の管理のため向かうことの許可を得ました。…さて、僕の目的ですね。」

ゴクリ、と私は唾を飲んだ。


その目的次第では、私たちは…捕らえられる、下手をすれば、死ぬかもしれない。

真剣に、話を聞く。

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