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月の涙 #9
*スフィア side
軍服を着た青年が言う。
「ダイアモンド、ブラックダイヤモンド、ラピスラズリ、サファイア…
ちょっと、ついてきてもらいたい。」
判断は一瞬。
『逃げないといけない。』
それだけだった。
心のそこから。
喉が潰れるんじゃないかというぐらいに叫んだ。
「…みんなっ!逃げてっ!」
私の少し前を歩いていたラピスが驚いて振り返る。
「す、スフィア…!?」
青年が行動を開始する。
私の大声に一瞬目を見開き。
けれど、青年の動きは止まらない。
青年は素早くその両手を――――
前にかざした。
「あ、ちょっと待って!僕、そういう捕えるとか殺すとかそういう要件で来たわけじゃないですから!落ち着いて!落ち着いてください!!」
「「「「…えっ」」」」
…なんとも言えない空気が、流れた。




