船での夜は感情が膨らむ嫉妬と快感
サブタイトルはスルーでお願いします。
ケヴィン団長とレイシアの談話です、ピリピリしたり、和やかだったりです!
「へぇ、それで私たちを連れてきたの」
雲なく照らされた月明かりに地べたでの会話をしているのは、レイシアとケヴィン団長である。
隊員達は酔いつぶれ、ロジェは片付けに徹し、ルイスはレイシアの計らいでロジェの手伝いをしている。
よって、2人きりでの会話というわけだ。
「まぁ、要はその姿だから王の目に止まった。神の送り人だなんて、分かるわけないが俺たちは王に従うことが仕事だからな」
「自己中」
ブドウ酒を傾け、ブドウ酒独特の朱を透かして見やるレイシア。その瞳はブドウ酒だけではなく、ケヴィンの行動も伺っている。
「そんなに警戒するもんじゃない、何もとって食やしないさ」
ブドウ酒を喉に流し込んだケヴィンが片手を広げて笑う。
「ふふ、無理やり連れてきといて良くいうわね。さっきはルイスの考えに賛成はしたけど、私は嫌になったら逃げるわよ」
レイシアの牽制の目に、ケヴィンは苦笑いを見せる。
ケヴィン以外の人間ならゾッとするような眼だ。しかしケヴィンは、目の前に黒の天使 神の送り人と喚ばれる女がいて、見惚れるよりも先に焼きつく様な感覚を感じていた。
本人もこの感情が何なのか、理解は出来ていない。
だが、高まる高揚感と子供がオモチャを貰って袋を破ってしまうような気持ちは、不快ではなかった。
「なに?」
クスリと口端を釣り上げているケヴィンに眉を寄せたレイシア。
「さぁ?こんな感情初めてだ」
訳が分からない。という風に首を振るレイシアだが、ケヴィンが立ち上がり近づいてきた。
「レイシアとは初めて会った気がしないだけだよ」
にへら…と笑い、張り詰めていたレイシアの気が緩む。
先ほどから畏まった話ばかりをしていたので、余計ににへら顔は効いたのだ。
はぁーっとお腹から溜息を吐くと、ごろんと寝転がるレイシア。
「その笑い方…癖なの?」
ケヴィンもごく自然にレイシアの横にごろんと寝転がると、にへら顔をして背伸びをする。
「さぁ?安心させたいとき、許してほしいとき、ついてきてほしいとき、話を変えたいとき…全部、こんな笑い方をしてしまうんだよ。物心つく前の日から」
「ふーん」
レイシアは自分で話題を振っておいて、相槌だけ返す。
もやっとする何かに引っかかりはしたが、寝転がって見える綺麗な夜空にかっさらっていかれた。
「真っ黒だな」
ぽつりと、横から声が聞こえる。
声の聞こえる方へ顔を向けると、白緑の切れ長な瞳が逸らされることなくレイシアを見つめていたーーー。
「ッッ…!」
まさか、こっちを見ているなんて思わなかったレイシアはバッと顔ごと逸らし、ケヴィンに背を向ける。
「レイシアの髪も、その瞳も、夜を映しているような漆黒だな」
ケヴィンが、今度ははっきりと聞いてきた。
「そうよ、昔から変わらない。私の自慢の色」
昔から…というところで、ケヴィンの耳がピクリと動く。
「昔って、まだ若いだろ?」
「……………………そうね。」
この世界で生を宿してまだ若い。
その事実に切ない顔をしたレイシアだが、背を向けられているケヴィンにはどんな顔をしていたのかわからなかった。
「シア…」
ビクリと体を起き上がらせてケヴィンを見やるレイシア。
当の本人、ケヴィンは既に眠りに落ちている。
はーっと息を吐いてべちんっとおでこを叩いてやったレイシアは、頬に手を当てて俯く。
「なんか、変な感じ…」
****
「面白くないな。」
「何か言いました?ルイスさん」
ロジェの片付けを手伝うルイスの黄色の双眼が、猫のように鋭くレイシアを映していたーーー。
西の大国、ライワノールはもうすぐ…
何とも言えない空気を醸し出してみました
伝わるかな?と不安です。
いつもはおバカなケヴィンですが、少し大人っぽく色香もでてます!ドキッとしたのかは、ご想像で…
真っ黒だな。は髪のことです!
背を向けたレイシアの髪が夜風に揺れて、月明かりに照らされても黒いので、ぽろっとでた言葉です。性格のことをいったのではないんですよ?汗
ロジェはやっぱり感じる人です!
読んでいただき、ありがとうございました。




