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1番厄介なのは誰でしょう

大変長らく、放置しておりました。

今回は船に乗っている描写からです。

ジェミーを掠めると言っていたのに出てきていません。

また、出します。申し訳ありません



「それにしても、まるで絵画から抜け出たような綺麗な姉ちゃんだなぁ」


まじまじと簡素なベッドに寝ているレイシアを見るロムを、炎で牽制するルイス。

ルイスは人間でも声が聞こえるように、人間の姿になっている。


「見過ぎだ」

「いいじゃねぇかよ〜、減るもんじゃないしな」

「ダメだ、燃やすぞ。」


それでも触ろうとするロムの手に、一瞬ボッと火を灯して脅しではないぞ。という鋭い瞳で一瞥する。


「ちぇーっ。とんだやつが護衛代わりに付いてきましたねぇ、団長」


小さな火傷を置いながら、灯された手を力無く振り、団長ことケヴィン団長に会話を促すロム。


「…あ、あぁ。そうだな」


落ち着きのない団長に、首を傾げる隊員達だが、ルイスは光ない眼で団長を見たあと、目を瞑った。



「お?あの護衛野郎眠っちまったぜ?今のうちに美女の顔でも拝んどくか…うぉっ!」

「もう!ロムさん!学習して下さい!船まで焼けたらどうするんですか!」


近くで見ようと近付くロムに燃える炎が上がったのだ。それに驚くロムをロジェが叱る。



《やはり…人間はうるさいな》


妖精の言葉でボソッと言うルイス。


《妖精が眠るわけがないだろうに。目を瞑っているだけで、人間は阿呆だな》


人間には分からない妖精言語で、愚弄するルイスは性悪であった。しかし、レイシアの他に妖精の言葉がわかる人間がいたのだ。


「ほーら、阿呆とか言われてんぞ。いい加減見世物小屋に行ったみたいにジロジロ見るのはやめてやれ」



ケヴィン団長である。

ケヴィンは横目でチラリとルイスを見て、隊員達を集めると、一本の酒を天高く上げた。


「黒の天使任務を祝して、乾杯だ!」


ケヴィンの一声にうぉぉおお!と隊員達が持っていた酒をがぶ飲みし始める。

踊ったり、豪快に食べ物を食べたり、飲んだりと、一気にうるさくなった。


「ん…、もう何?うるさくて寝れないじゃない」


寝起きの悪いレイシアが目をこすりながら起き上がると、目の前には酒の山。散らかった残飯。酔って上半身裸で踊り出す男。

いくらレイシアでも、怒鳴りつける暇もなく目が点になった。


「ババァ、起きたのか?」


ルイスがレイシアの側に寄り、身体の異常がないか少し触る。


「誰が・バ・バ・ァ・ですって?」


熱なども出ていないか、とルイスの手のひらがレイシアの額に当てられた時だった。

ギュッと手を握り締めたレイシアが素早く立ち、ルイスの真上から自身の握り締めた手を振り下ろしたのだ。


「ッ!ッッ〜っ」


目を見張る隊員達。船の上で転がり回るルイス。そんなルイスを足蹴に仁王立ちで堂々と言い放った。


「さぁ、ルイス。説明してもらいましょうか。どうして私を塔の外に出したのか。」


なんてことだろう。団長を含めた隊員達は、ひくりと頬を引き攣らせ思う。



護衛はおろか、黒の天使が1番厄介だとーー。



「これが最良の決断だと思ったからだよ」

「はぁ?これが!?私の意思を無視して、無理やり行かせることが最良決断だと思ったの?」


バカなこと言ってると、その脳内にパンケーキ詰めるわよ。とギロリとした瞳で、どこからか持ち出したパンケーキを持ち戦闘態勢。


「どの道、シアはあの塔を出なければならない。今ほど絶好な機会はないかも知れなかったんだ」

「へぇ。その割りに本気で殺しにかかってたよな?」


ルイスとレイシアの話に割って入ったのはケヴィンである。

確かに、ケヴィンがレイシアを連れ去ろうとしたとき、本気で防いでいた。


「本気で殺しにいったほうが良かったか?」


横目で見据えるルイスの目は笑ってはいなかった。


「いいや」


ケヴィンは大きく身震いをしてみせて、立ち入らないよ。と手を振り、離れた場所で座り込む。

ケヴィンが他所に行ったことを確認し、レイシアに向き直ったルイスは、レイシアの肩を掴んだ。


「シア、人はみんな定めがあるんだ。妖精と違って、人は何かを理由に生きてる。シアの定めは、この世界を知ることなんだよ」


いつもとは違うルイスの強い眼差しに物怖じしてしまうレイシアは、重い溜息を吐いて一言


「わかったわよ」


とルイスの頭に手をついてわしゃわしゃした。




レイシアはルイスに丸め込まれて今回は幕を閉じます。

初っ端から護衛を足蹴にしたり殴ったりと、主人公あるまじきレイシアですが、これが彼女の魅力だと広い心で読んで頂けると光栄です。


あと1話ほど船の描写をかいて、いよいよ城に突入です。


ロムとは違って遠目からレイシアを見ていた隊員達は、あまりの美しさに見惚れ階段から足を滑らしたり、鼻血をだしたり、森に入ってからよりも怪我をしたと聞きます。


いやはや、ルイスは溜まったものではないですね。


いつも牽制の目を光らせています。


ケヴィンは何故、落ち着きがなかったのか。うまく表現できませんでした。

これからゆっくりと表現していこうと思っています。


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