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一瞬の頭痛に迫る男達



「いった…ッ!」

《シア…シア…大丈夫?》


レイシアが何時(いつ)ものように花に水をあげようとした時、レイシアの頭にビリッと電気が走るような痛みが襲ってきた。

痛みはすぐに収まり、ジェミーに続き心配して集まってきた妖精達を「大丈夫」と言って窓の外に方向転換させる。


「最近よくあるのよ。一瞬だけ、男の人の顔が見えたりするの」


茶色の短髪に、にへらとした顔が印象的だけど、レイシアはそのにへら笑いに何処か苛々した。


「…一体誰なのよ。」


あんな顔だけが脳裏に映るだけでは、分からない。

レイシアは苛々するけど、何処か落ち着くにへら顔の男が気になって仕方無かった。


「何で、落ち着く笑顔なの…?」


考えれば考える程、キーーーーッと髪を手で掻き乱し荒く息をするレイシアは窓辺に手を思いっきり叩いて鬱憤を晴らす。


「はぁ…はぁ…っもう!」


妖精達はレイシアの底知れない苛々に、どうすればいいのか分からず、周りをチョロチョロと動くしか無かった。

しかし、今のレイシアに妖精達のその行動は逆効果。自分の周りで動く妖精達に苛々は倍増となっていた。


「あーーーーーーーーーーー!!!」


レイシアが大声を出し、発散させている中、陛下直属の騎士団は着々と魔の森に足を進めていた。




*****




「かぁぁぁぁ!潮風が気持ちいいねぇ、団長もそんな隅にいないで前に出て来なぁよ」

「眠いんだ…」

「もう!団長が日の出と共に出発するって言ったんですよ!毎回低血圧な団長を起こす僕の身にもなってください!」

「ハハッ、言えてらぁ」


ロジェは泣きそうな目で朝の出来事を思い返していた。

もう、皆は準備を整え出港するのを待つだけだが、1人…ケヴィンだけまだ起きてもいなかった。見習いがケヴィンを起こしに行くという鉄の掟があるため、ロジェは渋々ケヴィンの部屋の寝室まで走って行った。


『団長…朝ですよ。もう集合してますよ…っうわぁぁ!!!』


声だけでは起きないケヴィンを揺らし起こしていると、剣の刃をロジェに向けシュッと斬った。

幸いロジェは危機を感じ、早く後ろに飛び退いたので命は取られなかったが、斬られた前髪が綺麗に斜めになった。


「見て下さいよ!当の本人は覚えてもいないんですよ!」


ロジェは真っ直ぐ斜めに斬られた前髪を見やすい様に掴みケヴィンに見せつける。


「悪かった。悪かった。」


ケヴィンは両手を目の位置まであげ降参のポーズをとる。


「全く、ちゃんと自分で起きれる努力をして下さいね!」

「…………ハイ。」

「まぁまぁ、えぇじゃねぇか。ロジェもその髪型に合ってるしな。色男になってるぜぇ」

「もう、からかわないで下さいよ!」


かぁぁぁぁっと赤くなったロジェを周りの団員達も入りからかう。

そんな賑やかな団員達を見て、漸く眠気が覚めてきたのか見えてきた東の大陸に笑みを浮かべる。


「そろそろ東の大陸に着くぞ。用意は出来てるか!」


ワァッと一斉に団員は声をあげ、大陸に到着するまで残り数十分。




ーーーーーーーあ、ハーネス殿から頂いた地図を部屋に置き忘れた。


港に不満な声が響いたのであった…。


頼りない団長ですが、ライワノール帝国で1番仲の良い騎士団です。

レイシアの脳裏に映し出されるにへら顔の男……感の良い方ならもうお解りかもしれません。


次回はもう少し頭痛を書きます。

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