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第5章 ②

第5章② 地下道


地下道は暗く、湿っていた。


ログは迷わず進む。


「相変わらず早いな」


レオが後ろで息を切らす。


「お前が遅いんだよ」


奥から声がした。


「誰だ!」


松明の灯り。


黒帳の男達が数人、通路を塞ぐように立っていた。


「西区の連中とはグルか?」


ログは足を止めない。


「質問はこっちのセリフだ」


「上等だ」


男達が武器を構える。


数はログ達の倍以上だった。


だが。


「行くぞ」


ログは踏み込んだ。


一人目の懐へ潜り込む。


拳を叩き込む。


ドゴッ。


崩れ落ちる。


二人目が横から斬りかかる。


半歩ずれて躱す。


そのまま顔面へ拳を叩き込んだ。


ゴッ。


男が壁まで吹き飛ぶ。


「おい待て!!」


レオが叫ぶ。


「殺すなよ!! 口割らせるんだろ!!」


「加減してる」


「してねぇだろそれ!!」


三人目が来る。


ログは足を払い、地面へ叩きつけた。


そのまま踏み込もうとした足を。


レオが慌てて引っ張る。


「もういい死んでる!! 死んでる、それ気絶してるだけだから追撃すんな!!」


「まだ動くかもしれねぇだろ」


「動かねぇよ白目剥いてる!!」


四人目が背後から迫る。


ログは振り返りもせず肘を後方へ突き上げた。


ガツン。


「げぶっ……」


崩れ落ちる。


「見もしないで当てるな!! 才能の無駄遣いだろそれ!!」


レオは半分涙目だった。


戦うより、止める方がよほど体力を使っていた。


最後の一人が、震えながら後退る。


「ま、待ってくれ……!」


ログが一歩踏み出す。


レオが飛びついて羽交い締めにした。


「待て待て待て!! こいつ喋る気ある!! 殺す前に聞け!!」


「聞くつもりだ」


「目が座ってんだよ!!」


ログはため息をつき、男の胸ぐらを掴んで持ち上げた。


「幹部はどこだ」


男は震えながら奥を指す。


「お、奥の……広間に……」


「よし」


ログは男をぽいっと放り投げる。


レオが受け止める形になった。


「なんで俺が受け止め役なんだよ!!」


通路には、うめき声だけが残る。


レオは肩で息をしながら、ログを睨む。


「お前と組むと、俺の寿命が縮む」


「大袈裟だ」


「大袈裟じゃねぇよ!! さっきの何回殺しかけたと思ってんだ!!」


ログは拳を握り直しながら、奥を見据えた。


「幹部はここからだろ」


レオは深く息を吐く。


気持ちを切り替えるように、頬を軽く叩いた。


「……ああ」


「今度は俺も本気で止める」


「戦うのか」


「止める方だよ!!」


扉の前。


空気が変わる。


さっきまでとは違う気配だった。


レオが声を潜める。


「……ここからが本番か」


ログは拳を握り直す。


「上等だ!」


扉を蹴破った。

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