↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/148

序章 ➂



鴉樽の扉が開く。


ログが女を抱えて入る。


「主」


奥から主が出てくる。


「何だ」


「東側水路だ」


「行き倒れ」


主は女を見る。


泥。


血。


傷。


そして。


胸に抱かれた赤ん坊。


主の眉が僅かに動く。


「……どこから来た」


ログは首を振る。


「分からん」


「東側水路で倒れてた」


「誰かに追われてたみたいだ」


主は傷を見下ろす。


新しい傷。


古い傷。


逃げ続けてきた跡だった。


「中へ運べ」


ログは頷く。


寝台へ女を寝かせる。


女の手は。


赤ん坊を強く抱き締めたままだった。


赤ん坊は腕の中。


離そうとしない。


いや。


離せないのだろう。


そこへ。


「何の騒ぎ?」


ミナが奥から顔を出す。


寝台を見る。


女を見る。


赤ん坊を見る。


目を丸くした。


「えっ……赤ちゃん?」


部屋の空気が静まり返る。


誰も、その先を口にしなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。