第3章 地下機構 ⑱
ドゴォォォォン!!!
鉄骨が、 核へ直撃した。
地下空間全体が跳ねる。
赤い液体が暴れた。
巨大な目が見開かれる。
地下機構。
「致命的損傷、確認」
レオ。
「うわ本当に致命傷だ!!」
ドクン!!
脈動が乱れる。
赤い灯りが暴走する。
鉄仮面達が一斉によろめいた。
動きが止まる。
主が即座に気付く。
「繋がりが切れ始めた」
ログが鉄骨を肩へ担ぐ。
「よし」
地下機構。
「警告」
「中枢崩壊、進行」
レオの顔色が変わる。
「待てそれ駄目な奴!!」
地下空間が揺れる。
今までで一番激しく。
天井へ亀裂が走った。
石柱が崩れる。
子供達が悲鳴を上げる。
主が即座に前へ出る。
落石を蹴り飛ばした。
ドゴン!!
レオが叫ぶ。
「アンタ何で素足で石砕けるんだよ!!」
「鍛えろ」
「無茶言うな!!」
その間にも。
核は激しく脈打っていた。
ドクン!!
ドクン!!
そして。
赤い目が、 ゆっくりログを見た。
地下空間が静まる。
地下機構。
「危険個体……認識」
ログ。
「おう」
「だから返事するな!!」
次の瞬間。
核が大きく脈打つ。
赤い灯りが、 一斉にログへ向かった。
レオが青ざめる。
「若造!!」
だが。
ログ、 避けない。
主の目が細くなる。
「若造?」
ログは核を睨んでいた。
真顔。
「……腹立つ」
赤い灯りが、 ログの腕へ絡み付く。
ドクン。
赤い線が再び浮かび上がった。
地下機構。
「再接続、開始」
レオ絶叫。
「またかぁぁぁ!!」
だが次の瞬間。
ログが赤い灯りを掴んだ。
全員止まる。
ログ。
「だから返すって言ってんだろ」
そして。
思い切り、 核へ叩き返した。
地下機構。
「――――」
地下空間沈黙。
レオ。
「……え?」
地下機構。
「――――」
音が止まった。
地下空間が静まり返る。
赤い目が見開かれたまま、 完全に停止している。
ログも止まる。
赤い灯りを掴んだまま。
レオ。
「……え?」
主の煙だけが、 静かに流れた。
数秒。
地下機構が、 初めて乱れた声を出す。
「接……続……循環……異常……」
ログが顔をしかめる。
「壊れたか?」
レオが叫ぶ。
「お前が言うな!!」
次の瞬間。
核が、 内側から赤く膨れ上がった。
ドクン!!!
地下空間が跳ねる。
レオの顔色が消える。
「逃げろぉぉぉ!!!」
全員動いた。
主が子供達を抱えるように押し出す。
「走れ!!」
ログ。
「白衣!!」
白衣は床へ崩れたままだった。
赤い線がまだ腕へ浮いている。
完全に腰が抜けていた。
「う、動け……」
ログ、 舌打ちする。
「面倒くせぇ!!」
そのまま白衣の襟首を掴んだ。
引き摺る。
白衣。
「待っ……苦し……!」
「我慢しろ!!」
「雑!!」
レオも走る。
地下空間が崩れ始める。
石柱が倒れる。
赤い灯りが暴走する。
そして奥。
巨大な赤い目が、 ゆっくりひび割れた。
地下機構。
「危険個体……」
ログ。
「何だよ」
地下機構。
「本当に危険」
レオ。
「今更ぁぁぁ!!」
主が後ろを振り返る。
「若造急げ!!」
ログが白衣を引き摺ったまま叫ぶ。
「コイツ重ぇ!!」
白衣。
「役人だから……鍛えて……」
「知らん!!」
次の瞬間。
核が、 完全に砕けた。
真っ赤な光が、 地下空間を飲み込む。




