第6章 ⑮
数日後。
表。
レオは机へ紙を並べていた。
報告書。
届け。
失踪届。
全部ばらばら。
ログは椅子へ座る。
「どうだ。」
レオは一枚を差し出した。
「増えています。」
「何が。」
「人身売買です。」
次。
「誘拐。」
また次。
「行方不明。」
ログは紙を見る。
村の名前。
町の名前。
全部違う。
でも。
「増えてる。」
レオは頷いた。
「黒帳は押さえました。」
「関係者も捕まりました。」
「なのに。」
もう一枚。
机へ置く。
「終わっていません。」
ログは黙る。
レオは地図を広げた。
赤い印。
一つ。
二つ。
三つ。
増えていた。
「場所も違います。」
「手口も少し違う。」
レオは地図を見つめる。
「共通点が見つかりません。」
ログは机の紙を一枚取る。
眺める。
もう一枚。
また別の紙。
少しだけ考える。
「ある。」
レオが顔を上げた。
「え?」
「人。」
レオは紙を見直した。
一枚。
また一枚。
指が止まる。
「……本当だ。」
紙を叩く。
「消える人は同じです。」
子供。
若い女。
身寄りのない者。
旅人。
レオは小さく息を吐いた。
「狙われる人間だけは変わっていません。」
ログは腕を組む。
「黒帳じゃない。」
「はい。」
「別です。」
少し静かになる。
ログは地図を見る。
「誰かが。」
「続けてる。」
レオは頷いた。
「止まっていません。」
「黒帳を潰しても。」
「また別の誰かが。」
「集めています。」
ログは立ち上がる。
「行く。」
「どこへ。」
「分からん。」
レオは額を押さえた。
「また勘ですか。」
ログは扉へ向かう。
「気になる。」
それだけだった。
レオは机の紙を見る。
ため息を一つ。
「……今まで外れたことはありませんでしたね。」
書類を抱え。
慌てて後を追った。




