暴走状態その後
黒とミーニャは今森の中で動けない状態にいた、黒は暴走状態から戻った後そのまま倒れうつ伏せであり意識はあるものの体は動かない、ミーニャは黒の一撃を鳩尾に入れられ内臓を損傷しており動けず木を背もたれにして座っている状態だ
「ぐぐ!はっ!はぁはぁ、すまんミーニャ、体が動かんしかも、我慢できないでもないが体中が痛い」
「こっちもニャよ、ケホ!ケホ!黒にやられて動けないニャ、ケホ!ケホ!」
黒は体を必死に動かそうとするもののピクリとも動かないしかも体中に痛みが走る、ミーニャは内臓にダメージがあるせいか時折咳き込む
「すまん、ミーニャ、体は動かせないが魔力はまだあるだからこれを使ってくれ」
そう言うと黒はアイテムボックスから回復ポーションをミーニャの近くの地面に出す
「それを飲めばそのダメージは回復する筈だ市販の物じゃなく俺の先生が自ら作った物だからかなりの効果が期待出来ると思うぞ」
「いいのかニャ?」
「ああ、俺がミーニャを傷つけたんだ、それくらいじゃ少し割りに合わないと思うが」
うつ伏せで、地面に倒れたまま器用に苦笑する黒
「そうニャね、帰ったら黒には覚悟して惜しいニャ」
「分かった、それなりに覚悟しておくよ」
ミーニャはポーションを腕を動かして掴むと掴んでいない手で蓋を開け中身を飲む
「こく、こく、こく」
ミーニャは喉を鳴らしながらポーションを全て飲み干す、暫くするとミーニャの体が淡い白い光が包み込み瞬く間に全ての傷を癒していく、それだけでなくスキルの為に消費していた魔力まで回復していった、その事に驚きを隠せないミーニャジト目で黒を見る
「こんな一瞬で傷を癒すばかりか魔力まで回復するポーションを作れるなんて一体クロのその先生は何者ニャ?」
「だから前にも言っただろ先生は色々謎なんだよ俺にとってもな」
ミーニャはやっぱり気になるのか色々と聞きたいだったがポーションをくれた本人が知らないのならと引き下がる、少しすると傷が癒えたのか、ミーニャは立ち上がる
「そうニャか......まぁニャアの傷と魔力も回復した事だし少しゴブリンメイジがどうなったか見てくるニャ、まぁあの状態じゃ生きてないニャかもしれニャいけどニャ、とその前に森の中ニャからクロ自身今戦えないニャ、ニャから結界石でクロの周囲を囲むニャ、だから結界石を出すニャ」
「うっ、確かに俺今かなりの役立たずなんだよな、頼むほら結界石」
黒は少し罪悪感を感じながらアイテムボックスから結界石を出す、それをミーニャは受け取ると黒の周囲を囲む様に置く
「それじゃあ行ってくるニャ!」
「ああ、頼んだぞミーニャ」
ミーニャは歩いてゴブリンメイジがいるであろう場所へと向かって行った、黒はうつ伏せのままそれを待つ
「はぁ〜早く戻って来てくれよミーニャ」
「ふわぁ〜、うぅ〜」
ミーニャがゴブリンメイジを探しに行って数十分黒は少しだけ眠くなり欠伸をしていた、すると走っている音が聞こえこちらに近づいてくる
「っ!」
黒はこれに警戒するが、影が見え始めそして出て来たのは戻って来たミーニャだった、
「寝てない!俺は寝ていないぞミーニャ!」
慌てて寝ていないと言い訳をする黒だったがミーニャそんな事眼中になく慌てている様子だった
「そんな事どうでもいいニャ、クロ!ゴブリンメイジの死体が消えてるニャ!」
戻ってきたミーニャは衝撃の発言をしたこれには黒も動揺する
「何!?そんなバカな!あのダメージだぞ?」
「そんな事ニャあにも分かってるニャでもゴブリンメイジと思しき血の跡があったニャ、引きずる様に移動したせいか地面に血がベットリだったニャけど」
「もしかしたらあいつポーションでも持っていたのかもな、それか回復魔法」
うつ伏せ状態の黒は何故ゴブリンメイジが動けたのか頭の中で推察しそれをミーニャに言う
「う〜ん、多分前者ニャね」
ハッキリと言うミーニャに黒は何故だ?と理由を聞く
「回復魔法は神官の領分ニャ、ゴブリンには絶対無理ニャ、その点ポーションなら誰でも使えるニャ、多分冒険者を襲って手に入れたと言うのが妥当ニャ」
「そうか、確かにそうだな、それなら色々納得だ、だかこれからどうするか」
「そうニャよ、一応ゴブリンメイジに従っていたボブゴブリンは全部始末したけどニャ、ゴブリンメイジは狡猾ニャ、また自分のコミュニティーを作らないとも限らないニャ」
二人はゴブリンメイジの危険性を考え、これからどうすべきか考える
「逃げられたのなら仕方がないと言ったらそこでおしまいだが、絶対に逃す訳には行かないでも今は直ぐにイーストスに戻るべきだろうなこの事をギルドに伝えないと」
「確かにでもクロまだ動けないんじゃないのかニャ?」
ミーニャに言われた通り黒は体を動かそうとするがピクリとも動かない
「ああ、まだ指一本すら動かせない、まだ痛みも引かないな」
「それじゃあ暫くそのままニャか?」
「なぁ、ミーニャ流石にうつ伏せは顔が地面にくっつきそうで嫌なんだだからひっくり返してくれないか?」
ミーニャは考える素振りをする、一分後ニヤッと笑う
「別にいいニャけど、貸し一つニャよクロ」
「分かった貸し一つなミーニャ」
「その言葉忘れちゃダメニャよクロ」
「忘れねぇーよ」
二人は微笑む、そしてミーニャは黒をうつ伏せから仰向けにしようとする
「いてて、っ〜」
が、仰向けにしようとした瞬間黒は痛みに喘ぐ
「ニャ!大丈夫かニャ!?」
「大丈夫だ、少し体が痛んだだけだ」
「そうかニャ、クロがそう言うならいいニャけど」
仰向けにした後黒は空を見上げる状態になり、そうして気付く
「もう夕方じゃねぇーか!これじゃあ今日中に帰れないなぁ」
「仕方ニャいニャよ、色々イレギュラーがあったニャから、今日は不便ニャけどここで野宿ニャ」
「はぁ〜仕方ないか、すまねぇなミーニャ」
「だから仕方ない事ニャから、大丈夫ニャよ」
仰向けになりながら謝る黒にミーニャは笑いながら許すのであった
「じゃあアイテムボックスから寝袋とか色々出すな結界石の範囲を広げる為にもう少しだけ出しておくでも夕食が無いのはあれだな」
「ふ、ふ、ふ、ふ」
夕食が無いと嘆く黒にミーニャは花で笑いながら腰にある大きな皮袋から白い布に丁寧に包まれた物を出す
「これを見るニャクロ!」
「なんだそれ」
と、黒が聞くとミーニャは布を取るそこから出て来たのは肉だった
「これは干し肉ニャ、あらかじめ肉に塩をまぶして、干したものニャ、日持ちはするしこう言う時には持ってこいニャ」
「おぉ〜、そんな物を持って来てるとはこの事を予想してたのかミーニャ?」
干し肉を出したミーニャに感慨深い声を出す黒ミーニャはそんな黒を見て笑みを深め当たり前の如く話す
「冒険者なら当然ニャ、こう言うイレギュラーは冒険者ではありがちな事ニャ、こう言う時は日持ちする物を常備しておくのは冒険者として当たり前ニャよ、クロ」
「それも冒険者としての在り方か?」
「そうニャ、覚えておくニャよ」
「分かった」
この事を教訓に次からは自分も干し肉変わる何かをあらかじめ作っておこうと内心で思う黒なのだった
「黒、結界石の置く範囲を広げておいたニャよ」
「ありがとうミーニャ、それじゃあ飯にしようか」
「飯って言ってもクロはどうするニャかその状態じゃまともに食べれないんじゃないかニャ」
黒は笑うと
「そのまま口に持って来てくれ」
と、そう言うとミーニャは心配そうな顔をする
「大丈夫ニャか、干し肉かなり硬いし中々噛みちぎりにくいニャよ」
ミーニャにそう言われて少し考える黒
(うーん、魔力はあるし身体強化を使えば大丈夫だろう多分)
自分でも少し不安になりそうな事だが、大丈夫だ、と自分にそう言い聞かせ、ミーニャに大丈夫だ、と言う
「そうニャか、ならほら」
ミーニャは干し肉を黒の口に持っていく、黒は干し肉が近づくとそれを噛む
「はむ、たひかに、んっ、かたひな、ぐっ」
身体強化を口当たりに集中強化するが中々硬く噛みちぎれない黒だかそれでも少しずつ噛み削っていく黒
「だから言ったじゃニャかニャ」
「ひゃから、だひじょうぶ、しょれに、うまひからにゃ」
「それならよかったニャ」
黒は口の中で干し肉を口をもぐもぐしながらミーニャに味の感想を言うそれにミーニャは少しだか頬を緩めるそれと同時に耳と尻尾も少しだけフニャリとなる、とそんな事をやりながら二人は干し肉を食べ終わる
「ふぅ〜硬かったが美味かった、後は寝るだけでだな」
黒がそう言うとミーニャは真剣な顔を黒に向ける
「どうしたんだ?ミーニャそんな真剣な顔をして」
「黒、聞きたい事があるニャ」
黒は内心で何を聞かれるか分かっていた
(多分、あの暴走状態の事だよな、さてどう説明した方がいいか、まぁスキルの事だって言えばそれで収まりがつくが、うーん、それが一番だよな、俺の正体を明かす訳にはいかないしな)
黒は自分が魔王である事を言う訳にはいかないとそう決めスキルの事であると言おうとしたがいきなり強烈な睡魔に襲われる、恐らくこれも暴走状態のせいだとそう結論付ける
「っ!」
「どうしたニャ?」
「すまんミーニャ、その事は明日宿に着いてから話すでもダメか?いきなり強烈な睡魔に襲われて多分もうすぐ俺は意識を失う」
ミーニャ一瞬だけ怪訝な表情をしたが、黒の顔が冗談でも無いと直ぐに悟り納得し頷く
「分かったニャ、じゃあ明日教えてくれるニャね?」
「ああ、だ....から....今日の....所は.......」
黒は必死に意識を繋ぎ止めようとしたがそのまま意識を落とすのだった、そこに残ったのは黒の寝息と焚き火の音、そして夜の冷たい風だった、一人残ったミーニャはそれらを感じながら黒の近くにある木を背もたれにして目を閉じるのだった
次回予告、今回はこの私ヴェルグ・ウェルトです
まさか私を倒したあの魔王がこんな無様な状態になっているとは腹立たしいですね、もし死んでいなければそのまま八つ裂きにしていたのになんて腹立たしい事か!
オッホン、では次回もお楽しみに
誤字、脱字、色々な感想などよろしくお願いします




