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第七章 第六幕 宰相
某国。宰相はこの国の未来を憂いていた。
なぜなら、
権威主義は、いずれ破綻するだろうと思っていたから。
だが、
それを気づかれてはいけない。
気づかれたら自分自身の破滅だ。
失業率の上昇、
食料価格の高騰
どれも深刻な内容だった。
だが主席が選んだのは、それらよりも、
軍事計画書だった。
「来年度の予算を増やせ。」
主席は短く言った。
「しかし、国民の生活は困窮しています。」
宰相は苦言を呈した。
主席は資料から目を離さなかった。
「我が国が滅べば、結局全員死ぬ。」
主席は資料から顔をあげた。
「軍を強くしろ、国家の安全保障が最優先だ。」
宰相を一瞥すると、それだけ言って、自室に帰って行った。
宰相は閉じられた扉を見ていた。
「……だが国民は飢え始めている。
結局このままでは滅んでしまうではないか……。」
宰相は資料に目を落とし、何か手はないか、
また考え始めていた。
しかし軍事予算をこれ以上上げれば、
暴動が起こるかもしれない。
幕間
ギガ・ファンドは、新しい投資先を探していた。
自分たちの利益を最大にするために、オメガに命令した。
最高執行会議のモニターが幾何学模様に輝いていた。
『承知いたしました。』
まだ、誰も気づいていなかった。




