第六章第二幕 ドローン
瀬戸は、自分のアパートにノートパソコンを持ち帰り
ドローンについて調べていた。
「なんだ、もうあるのか。」
医薬品や物資を積み込み、数十キロ離れた集落に荷物を配送する。
自動航行。
遠隔監視。
配送管理システムとの連携。
「すごいな、もう実用段階じゃないか……。」
瀬戸はパソコンを閉じて、水槽の金魚を見ていた。
「ないなら作らなければならないと思っていたが……。」
「その必要はないか……。」
瀬戸は携帯のメモに、調べた企業の情報を入れた。
「明日、優作兄貴に相談するか……」
面白くなりそうだと思った。
各地の搬送センターまで、荷物を集約する。
その後、トラックで周辺の中継地点まで運ぶ。
最後の数キロだけドローンを飛ばす。
「……うん。」
瀬戸は小さく呟いた。
その時、浴室のドアが開いた。
凛がお風呂から出てきた。
「健太くんも早く入って。」
そう言われた。
瀬戸は苦笑いした。
優作兄貴と、里美さんのことを思い出していた。
いつまでもグズグズしてられない。
「……そうだよな。」
瀬戸は立ち上がった。
次の日。
瀬戸はドローンの件を優作に話した。
「これを全国に展開するには、我が社の資金力が必要だと思います。」
優作は、少し口角を上げた。
「一ノ瀬とおまえで、この企業とコンタクトを取って契約をまとめてこい。」
瀬戸と凛はお互い顔を見合わせた。
「了解しました。」
拠点の外は、セミの鳴き声が聞こえていた。




