第五章最終幕 ウエディング
半年後、
リハビリを終え、里美がCEOとして拠点に帰って来た。
「みんな、私の留守の間、本当にありがとう。」
「今日からまた、働きます。よろしくお願いします。」
全員、拍手で迎え入れた。
「それと、一つ発表があります。」
里美は優作を見た。
「俺と里美は入籍することになった。」優作は一言だけ言った。
その場は騒然となった。瀬戸が驚いた顔をして、凛を見た。
凛は少し赤い目をしながら、「おめでとう。」と言っていた。
はっとして、瀬戸も「おめでとうです。」と言った。
真壁が「やっとですか、」と言った。
影山が「兄貴……聞いてないっす。」と言った。
庄屋が机の上のコーヒーを一口飲んで、口角を上げた。
タエ、源さん、カブさん。商店街のみんな、笑顔で祝福した。
里美は少し照れたような笑顔を見せた。
「それで、結婚式はいつですか?」庄屋が聞いた。
「結婚式?」優作が聞き返した。
「まさか……しないつもりじゃないでしょうね?」凛が訪ねた。
優作は里美を見た。少し、困った顔で。
里美は、全てわかった顔をしていた。
「する。これからするつもりだ」優作は答えた。
全員、堪えきれず、大笑いした。
結婚式は丘の上の小さなホテルで行なった。
本当に、仲間内だけの小さな結婚式だった。
里美のウエディングドレスは美しかった。
化粧をした里美に優作は思わず「誰だ」と言ってしまった。
里美はずっと笑顔だった。
優作はずっと引き攣った笑顔だった。
そして、何度も時計を見た。
みんなで記念写真を撮って、結婚式は無事に終わった。
式後、みんな、優作たちの部屋に、遊びに来てくれた。
夜遅くまで起きていた。
なぜか早く目が覚めた。
里美を見ると目が合った。
結婚式の次の日、二人でテラスに出た。
里美が隣にいた。
二人で海を見た。
里美と見た朝日が綺麗だった。
数日後、
拠点の近く、商店街の自動販売機の前で、瀬戸、真壁、影山が
缶コーヒーを片手に、雑談していた。
「しかし……まさか優作兄貴が俺より先に結婚するとはね。」
真壁と、影山が一瞬ジト目になった。
「もう、じれったい位だったよ。俺はすぐにくっつくと見てたがね。」
真壁はそう言って一口コーヒーを飲んだ。
「そういう瀬戸さんはどうなんすか?」影山が言った。
「なにが?」
「何がって、凛さんですよ、好きなんでしょ?」
瀬戸はコーヒーを吹き出した。
「な、何言っている。」瀬戸は慌てた。
「その反応は、バレてないと思っていたってことだな。」真壁が言った。
「みんな知っていますよ。」影山が続けて言った。
「そうなのか……。」瀬戸は急に静かになった。
「まあ、俺たちはいつでも受け入れるから、ちゃんと報告してくれ。」
真壁はそう言うと拠点に帰って行った。
「そういうことっす。」影山も帰った。
「……。」瀬戸は、一人で考え込んでいた。
暁商店街は、今日も賑わっていた。




