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不器用な善意は、世界を再構築するAIに選ばれた 秘密結社ARK 世界征服の物語  作者: My little world
第ニ章 暁商店街

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第五章第六幕 退院

二ヶ月後

里美の退院の日だった。荷物を片付けて、

凛が手伝いに来てくれていた。

「凛、ありがとう。」と言った。

凛は少し微笑みながら何も答えず、テキパキと片付けていく。

病室から出る。今までのように動けない。

「……おばあちゃんだね、わたし。」里美は苦笑いした。

窓ガラスに映る自分を見た。腹部が痛むので、

自然に前屈みになる。優作が近づいて来た。

「ちょっと遅れた。すまない。」優作が言った。

「大丈夫。」里美は少し笑った。

凛は優作に、「荷物を持って車に行くから、後は頼みます。」と言った。

「……車椅子、借りてこようか?」優作は言った。

「自分で歩きたい。」里美は答えた。

二人はゆっくり、歩いた。途中の椅子に何度も座った。

エレベーターに乗って、

他の人が乗ってくると、優作が壁になった。

受付まできて、「ありがとうございました。」と挨拶をして、

凛が入り口まで回してあった車に乗り込んだ。

いつもよりゆっくり車を走らせた。

拠点につくと、みんなが来てくれていた。タエさんや、源さん、

吉田さんまで出迎えてくれた。

「皆さん。ありがとうございます。」里美は挨拶をした。

少し涙ぐんだタエが、優しく抱きしめた。

優作が言った。「みんな、里美はまだ本調子じゃない。

しばらくは俺が代行を続ける。サポートしてくれ。」

全員が頷いた。

凛が付き添って、拠点のデスクに里美を座らせた。

「やっぱり落ち着くわね。」里美は微笑んだ。

『お帰りなさい。』ARKが言った。

「私がいない間、優作さんは—」

『毎日あなたの退院日を確認していました。』

「そう、」里美は少し笑った。

「......一つ聞きたいことがある。」

『はい。』

「私が撃たれる前、変数がどうとか変なメールがきたでしょ?」

「あなたひょっとして、なにか気づいていたの?」

社長室には凛と里美しかいなかった…。

『違和感はありました。』

「どうして言ってくれなかったの?」

『確信はなく、聞かれなかったので、答えませんでした。』

『それとも、私が全て指示する方が良いのですか?』

里美は何も答えられなかった。

『私は、命令されれば、動きます。ただし—』

『私を使うのはあなた達で、あなた達が選ばなければなりません。』

凛は何も言わず、ただ二人の会話を聞いていた。

「……そうね。あなたを使うのは私達。違和感を感じたならば、あの時、

あなたに聞くべきだったのね。」里美はそれ以上聞かなかった。

「じゃあ、ARK、命令するわ」

『はい』

「私はしばらく、ここには来られない。だから—

あなたは、優作さんとみんなを守りなさい。」

『承知しました…。』

里美は社長室の小窓から、会議室のみんなを見ていた…。


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