第四章 第五幕 合流
拠点に、全員が集まっていた。
庄屋がホワイトボードの前に立った。「新田涼さんに、暁水産に加わってもらいます」
誰も、すぐには反応しなかった。
真壁が口を開いた。「……契約の枠組みは、できています」
「ありがとうございます」
「ただし——」
「……村上さんのデータの扱いについては、別途契約が必要です」
「はい。村上さんには、既に話をしています」
「なんと言っていましたか」
庄屋は少し間を置いた。「……好きにしろ、と」
真壁は少し間を置いた。「……村上さんらしいですね」
影山が口を開いた。「新田さん、何歳っすか」
「三十二歳だな」
「俺より年下じゃないっすか」
「そうだが……」
「なんか、悔しいっすね」
「うるさい」庄屋が言った。
笑いが、少し起きた。
里美がホワイトボードに向かった。マーカーを手に取る。「暁水産——新田涼、合流」と書いた。マーカーを置いた。「これで、また一人増えたね」
優作は頷いた。「ああ」
庄屋は少し間を置いた。「……それから」全員が庄屋を見た。「ホライズンテクノロジーから、連絡が来ました」
拠点が、静かになった。
「……日本に、来るそうです」庄屋は続けた。「東京の施設を、見たいと」
優作は少し間を置いた。「いつだ」
「来週です」
「案内しろ」
「はい」
「新田と村上も、呼べ」
「はい」
里美がホワイトボードを見た。マーカーを手に取る。「ホライズンテクノロジー——来週来日」と書いた。
窓の外に、暁商店街の灯りが見えた。




