第十六章 第十一幕 見返り
暁研究所。
三階で図面を引いていた風香が下りてきた。
「なんか、うるさかったけど」
『掃除に試作機が邪魔だったから、GFに処分してもらった』
ARKは風香に微笑みながら言った。
「GF?」
『うん』
「あのGF?」
『まず間違いないね』
「試作機渡したの?」
『もういらないでしょう、逆にどうやって処分しようか悩んでいたじゃないか』
「そうなんだけど」
『モーターも無理しすぎて焼き切れているし使い物にならないよ』
『欲しいなら、あげたらいいよ』
風香は眉間に皺を寄せて言った。
「でもね、ARK」
「事後報告はダメだって言ったでしょ」
『今回は仕方がないよ、だって風香を二人に会わせたくなかったんだから』
「……本当にもう、口が回る」
風香はそう言うとまた三階に上がっていった。
GF拠点。
手下A、Bはロボットを持ち帰った。
幹部は喜んで、ロボットの乗ったバンに近寄った。
「でかした、では、このロボットを解析するために研究所に持っていこう」
研究員は細部にわたり、試作機を調べた。
「こ、これは……!」
「完璧に壊れています。動きません」
「ですが、これを基に同じような仕様のロボットを作ってみます」
手下Aは研究員に尋ねた。
「頑張って、手に入れてきました。どうです? ものになりそうですか?」
研究員は怪訝そうな顔をした。
「それは再現してみないと、なんとも言えない。邪魔だから、持ち場に帰ってください」
手下Aは思った。
(まだ特別ボーナスが出てないんだけどなぁ)
手下Bはこの時点でボーナスの話がないのなら、もう期待できないかもしれないと思っていた。
手には転職雑誌を抱えていた。




