第十六章 第六幕 ARKの性能
暁グループ。
拠点。
風香はARKの性能について語りだした。
「最近は私の部屋のお掃除から洗濯、お料理もしてくれます」
その話に里美が飛びついた。
「ほんとに?凄いじゃないの」
風香は少し得意げだった。
「ええ、苦労しました。しかし現実世界でデータを取るのが正解でした」
『最初は壁に穴を開けてたもんね』
ARKは、愉快そうに話した。
里美が怪訝そうに尋ねた。
「壁に穴?もしかして、危険なの?」
風香は少しARKを睨みつけてから、慌てて答えた。
「そんなことないです。最初の試作機でちょっとだけ失敗しただけです」
『色々あったね』
「ARKはちょっと黙ってて」
「まぁ、そんなことがあり、仮想現実だけではデータが足りなかったので、Beシリーズを作りました」
「しかし、新聞で読んでもらったように、人助けもできるいい子に育ちましたよ」
里美は少し微笑みながら尋ねた。
「ARKとBeシリーズの性能差はどれくらい?」
風香はそれを聞かれてギクリとした。
Beシリーズの設計はすべて風香がしたが、ARKの体を設計したのはARK自身だった。
そして、ARKの仕様を読むのをすっかり忘れていたのだった。
風香は正直に話した。
「ごめんなさい。ARKの仕様、私知りません」
これには、会議室の全員がざわついた。
『風香、正直すぎ』
ARKは少し笑った。
風香はあらためてARKに尋ねた。
「あなたの仕様を教えなさいよ」
ARKは真剣な顔になった。
『風香のそばで、風香を守るために、Beシリーズの十倍の身体能力がある』
『でも、日常的な作業なら、Beシリーズと大差ないよ』
「……」
風香は少し耳を赤くした。
「具体的には?」
『耐久性と駆動系の出力。反応速度も』
『でもそれらは、緊急事態じゃないと使わない』
「……だ、そうです」
風香は周りを見ながら、少し声を落として告げた。




