第十六章 第三幕 影の会議
GF幹部会議。
「やはり鳳だったか」
「目先の欲に目が眩んで、大失態だ」
「このままでは我々の世界支配が崩れてしまう」
「まて、まだ我々には彼女の残した遺産があるではないか」
「遺産?」
幹部Aはファイルを見せた。
それは隔離されて保存されていたオメガだった。
「それは失敗作じゃないか、世界が滅んでは意味がない」
「だから、彼女のような天才を世界中から探し出し、再び我らの栄光を取り戻すのだ」
「そのファイルはそのための教材か?」
「ああ、それに、鳳のロボがサンプルで必要だ」
「じゃあその事について話し合おうじゃないか」
GFの思惑を、風香たちはまだ知らなかった。
鳳邸。
風香が研究所から戻るとメイドから電話があったことが伝えられた。
「どこから?」
「保育園でございます」
「以前Beシリーズを預けたいと申し込んで断られた保育園から受け入れたいと要請がありました」
「……」
「マスコミって……怖いわね、でも……悪くない」
風香は5つの保育園に2体ずつBeシリーズを有料でなら貸し出すことを思いついた。
「いくら出すか聞いてみて」
風香はメイドにそう言うと、ガレージに歩いて行った。
ガレージではBeシリーズが充電をしていた。
風香は彼らを見ながら思った。
(もう十分なのでは)
「ねぇ、鳳邸でちょっとメイドや執事の手伝いをしてみない?」
風香はそう尋ねると、全員が手を上げて『する』と答えた。
「でも、もし契約が取れたら保育園にも行ってほしいの」
ウイーン。Be3(サンちゃん)が風香の方を見て言った。
『充電の時以外は動いてデータを取りたい』
風香は口角を上げ、
「そう」と答えた。




