第十六章 第一幕 謎の男
鳳邸。
風香は届いた請求書を見てすぐさまARKに言った。
「ARK、この高額請求書はなに?」
『……』
「ARK」
『はい』
「質問しているのよ」
『……最初の予定では僕に体をくれるはずだった』
風香は息を吸い、そして吐いた。
「つまりこの請求書は、あなたの体代ということね」
『説明しなくても、理解してくれてうれしい』
また風香の頭に血が上りだした。
「おだてても無駄だから」
「いくらの請求書だと思ってるの?」
「一億円だよ」
風香は実際に口にして、クラクラしてきた。
「いまから暁研究所に行くから」
風香はサイクロンに乗って出発した。
研究所につくと、知らない男性が出迎えてきた。
「あなた、誰?どうやって私の研究所に入ったの?」
『風香でも分からないんだ。僕、ARKだよ』
これにはさすがの風香も驚いた。
風香はARKに近づき、その顔を覗き込み手で触れた。
「これって……あなたが作ったの」
『もちろん。風香の設計図を元に、自分の好みのデザインにしてみました』
「……だから、素材に糸目を付けずに……一億円」
『風香らしくもない。それくらい僕が自力で稼いで見せるよ』
『それよりも三階に来て』
ARKは風香を三階の自室に案内した。
「……き、キレイ」
風香はキチンと整理され、埃一つ無い自分の部屋を見た。
ベッドのシーツには皺ひとつない。
机の上には必要なものしか置いていない。
床にはポテチの袋どころか、髪の毛一本も落ちていなかった。
「……あなた、いつ掃除したの?」
『今朝』
「あなたの体ができたのは?」
『だから、今日の朝早くだよ』
「……」
『どう?有能でしょう?』
『これからどんどん役に立つよ』
風香は何も言い返す事ができなかった。




