第十五章 第四幕 約束
公園。
サッカーボールの少年は一人でボールを蹴りながら、時々イチの方を見ていた。
バイン。
壁に蹴ったボールが跳ね返ってきた。
少年はボールを止め、またイチを見た。
『少年』
後ろから急に声を掛けられ、驚いて振り向いた。
そこにはBe10が立っていた。
「何か用か?」
『ボール』
「だから何だよ」
『教えて』
「やだよ、あっちに行け」
Be10は少し考え、他の子供たちのところに行こうとして背中を見せた。
「あ……」
Be10は振り返った。
『サッカー教えて』
もう一度少年に言った。
少年は鼻をすすった。
「しょうがねぇなぁ……」
少年はBe10の足元にボールを蹴った。
Be10はボールを少年に蹴り返した。
しばらくすると、Be10は少しずつ学び、蹴るのがうまくなってきた。
そこに他の子供たちが来た。
「二人でサッカーずるいぞ」
いつのまにか、みんなで公園の真ん中でサッカーをしていた。
風香は、その様子をずっと観察していた。そして口角を上げた。
少年はBe10を見つめた。
「……お前、名前は?」
『僕の名前はBe10。だけど昨日からはテンちゃんと呼ばれているよ』
「じゃあ、僕もテンちゃんと呼ぶよ」
『君の名前は?』
「慎吾」
「遠山慎吾」
『慎吾。覚えた』
「今日から友達だ」
『友達⋯⋯うん。友達だ』
ウィーン――
テンちゃんは手を差し出した。
二人は握手をした。
「テンちゃん⋯⋯」
『何?』
「胸のランプが点滅しているよ」
『もう、バッテリーが切れそうなんだ』
「また会える?」
『風香に頼んでみる』
それだけ言うと、テンちゃんはバスの方へ歩いて行った。
「またな!」
テンちゃんは振り返った。
『またな!慎吾』
慎吾は満足そうに友達のもとに走って行った




