第十四章 第五幕 風香の研究所
暁商店街。暁研究所
ついに、風香の研究所が完成した。
地上三階、地下一階の建物だった。
地下一階は秘密の研究所、
地上一階、二階までは研究開発。
三階は必要なら寝泊まり出来る施設にした。
『ついに完成したね』
ARKは控えめに幾何学模様をモニターに描きながら風香に言った。
「ええ、これで、鳳邸に帰るのは週末だけでいいわ」
『風香がそれでいいのなら、それでいいよ、僕が鳳邸は常に監視しているから』
風香は少し笑いながら頷いた。
研究所という特別な場所のため、この場所に人を入れる訳にはいかなかったので、
影山の発案で、ロードキング本社の大会議室でパーティーをすることになった。
その話を聞いた風香は早速アイディアが浮かび、
地下一階の秘密の研究所で、あるものを作り始めた。
ARKの気持ちを表すモニターは複雑な幾何学模様を浮かべていた。
ロードキング本社。
影山は少し浮かれていた。元々パーティーが好きな影山は
みんなと楽しく飲めるのを楽しみにしていた。
それは、人員配置が一通り峠を越えていたのも大きかった。
「ク、ク、ク……飲めや歌えのどんちゃん騒ぎだ」
赤井は少し呆れて言った。
「影山さん、怪人みたいになってますよ」
影山は逆に少し呆れたように言い返した。
「何いってんだ、俺もお前も怪人じゃないか」
「まあ、そうなんですがね」
赤井は肩をすくめた。
赤井は風香へのプレゼントに何を買うべきか悩んでいた。
(やっぱり花束だよな、いや、ネックレスとか?まさか指輪はないな)
赤井は少し赤くなった。
その様子を見た影山は、
「まぁ、慎重にな、俺はお前のために頑張った。台無しにするなよな」
影山は赤井の肩をポンと叩くと、会議室から出ていった。
その夜。
キュイーン、ガガガ。何かを加工している音が地下室で響いていた。
暁研究所、地下一階では、3Dプリンタがあるものを量産していた。
風香は一つそれを手に取ると満足した。
「ク、ク、ク……ハーハッハッハ!」
『……』
防音の効いた地下一階の高笑いはARKだけが聞いていた。




