第十四章 第四幕 事業戦略
暁グループ。拠点
庄屋は、暁商事社長として、暁グループ内部はもちろん、外部との協力企業と力を合わせ、
商事の規模をさらに拡大させていた。
農業担当のスタッフが庄屋のもとに、資料を持ってやってきた。
「社長、また参加希望です」
「どこ?」
「以前に交渉したときは断られた農家です」
「今月は多いですよ」
「何件?」
「二十軒です」
特に、農協との協力のもと、農家の農地の株券化によって、大規模農業の効率化は凄まじく、参加を見合わせていた農家もここに来て、参加を表明する農家が多く出てきていた。
しかも、肥料はもともと廃棄される予定だった養殖の魚だった。
グループ企業の暁運送を使うことによって、さらにコストを下げることができた。
「もともと言い出したのは優作さんだがな……」
庄屋は優作の方をちらりと見た。
「動き出したら、あの人ほとんど投げっぱなしだよな」
庄屋は苦笑いをした。
優作は視線を感じると尋ねた。
「何か用か?」
「……いえ、なにも」
庄屋はまた笑った。
数日後。
元GLの海外部門を担当していた役員は暁商事に配置換えされることになった。
国内事業が軌道に乗り、GL吸収によって、海外へのルートを手に入れた暁商事は
国内の余った食料を海外に輸出する計画を立てた。
庄屋は新しい部下に尋ねた。
「アフリカや世界各国に食料を輸出できますか?」
「はい。港までは運べます。しかし、アフリカの場合、そこからが問題です」
「どういう意味だ」
「治安が悪い地域があります。そこでは略奪が横行しています」
「でも、我々が届けたいのは、むしろそのような地区なんです」
庄屋はため息をついた。
「……そこなんだよ」
「霧島警備を付けてなんてやれば経費がかかりすぎる」
「無理しても続かないからな」
庄屋は考えた。
「時間がかかっても仕方がない。現地の政府と民間と協力して、港から経済を発展させていくか」
庄屋は佐々木にこの件を任せることにした。
佐々木は新しい仕事に身震いした。
「頑張ります」
庄屋はいたずらっぽくマスクを被り、
「今日から君も怪人だ」
と笑った。




