第十四章 第三幕 配置
会場は静まり返っていたが、最初のペンギン――いや、一人の元役員が口を開いた。
「……私は、海外事業のアメリカ支部を長年やってまいりました。
先方の通信関係の窓口なら私にも出来ます」
影山はニヤリと笑った。
「それは凄い。なんだ、できるじゃないですか」
「赤井」
「はい」
赤井はメモにしっかり名前と能力を書き連ね始めた。
また一人、手をあげた。
「私は東南アジア支部です」
「私はアフリカの……」
影山は少し眉を動かした。
「アフリカ?手が足りていますか?」
元アフリカ担当佐々木は、渋い顔をした。
「経費削減がひどく、全く足りていません」
影山は少し考えて赤井に告げた。
「こちらは人員を増やすべきだな」
赤井は佐々木に尋ねた。
「具体的に教えてください」
佐々木は少し緊張しながら言った。
「通信は凄いんです。しかし、道路が未舗装だったり、電気のインフラがまだまだです」
「現地で交渉するスタッフなど、人員が不足しています」
赤井は具体的な内容をメモに留めた。
また一人手を上げた。
「私は財務担当でした。GLの資金繰りを担当していました」
影山は少し考えて言った。
「君は暁グループの真壁さんの下についてもらう。甘くないとは思うが頑張ってください」
「でも、安心しました。本当は皆さん優秀なんですね」
「いま手を挙げなかった人にも仕事はあります」
「でも、すべてはあなた次第です」
「もう以前の役職はありません。あなたが何者になるのかは、あなた次第です」
一人の元役員が尋ねた。
「我々に平社員からやり直せと言っているのですか?」
影山は少し笑った。
「まずあなたが、自分自身をプレゼンテーションして認められたら、
社長からやり直せますよ」
「俺も認められたから社長をしてます」
元GL社長の吉村は、まだ手を上げていなかった。
影山に近づき、こう言った。
「では、私は拠点で私がやりたいことを話させてもらいたい」
影山は少し驚いたが、すぐに笑った。
「いいっすよ、待ってます」




