第十三章 第七幕 裏側
東京近辺。
昼時。
昼休みにサラリーマンたちは、
味はそこそこだが、値段だけは安い。
情熱ラーメン、「カル麺」に足を向けた。
そして、空腹を満たすためにただ麺をすすっていた。
その時、テレビから注意を引くアラームが鳴った。
『臨時ニュースです』
サラリーマンたちは、麺をすすりながら頭をあげた。
『証券取引等監視委員会は本日、GLに対し――』
テレビの映像がGL本社に切り替わった。
映像の中では、社員たちが慌ただしく走り回っていた。
『不適切な会計処理の疑いで、調査に入りました』
そのニュースを聞いたサラリーマンたちは様々な反応を示した。
全く興味のない者。
ただ「ふーん」と、記憶に留めた者。
あるいは携帯電話を開いて青ざめている者もいた。
GL本社。
営業部では、電話が鳴り止まなかった。
かつて、黒川の部下だった社長の吉村は、いつかこのような日が来るのではないかと思っていた。
机の上には、子会社へ販売済みとして処理された伝票が積まれていた。
その商品は、今も倉庫に山積みになっている。
本社の受付に押し寄せるマスコミの怒声が響いた。
吉村は、ただ役員たちに担ぎ上げられただけだったが、逃げるわけにはいかない。
机の上の伝票をめくり、ため息をついた。
ついにこの日が来てしまったか――
もともと、自分は粉飾決算には反対だった。
なのに何故こうなったのか?
自分に言い聞かせるように呟いた。
「処理が間に合わなかった」
そう言うと、震える手で受話器を握った。
GFの出資者からだった。




