第十三章 第六幕 混迷
GL本社。
黒川がGLを解雇になり、後を引き継いだのは、
GFが送り込んできた、カルロスという男だった。
だが引き継いでみて初めて分かったことだが、GLの財務はかなり弱っていた。
かなり利益があるはずなのに、金がない。
調べてみると、子会社に販売はしているが、その子会社が
社外に販売していない。
「……これは…粉飾決算じゃないのか?」
最初、GFから依頼が来た時は、有頂天になった。
天下のGLの社長の席だった。しかし……。
「これは聞いていない。とんでもないものを押し付けられた」
カルロスは自分のキャリアに傷がつくだろうなと考えた。
よくよく調べてみると黒川は叩き上げの人物で、自分の子飼いの部下を
暗部と呼び、非合法なことも裏でしていたようだった。
だから、黒川から厳しい目標達成圧力があれば、
無理だと思っても上げるしか無い。
黒川は別に粉飾しろとは言っていない。
次第に上司の意向に逆らいにくい企業体質になっていったということだった。
だが、カルロスには、すぐにこの会社を立て直すことは出来なかった。
企業体質は簡単に変えることが出来なかった。
黒川時代から使われていた、オメガに対策を依頼すると、
短期利益を最大化するべきだと進言された。
カルロスは焦っていた。
「とにかく今、なにか形にしなければ……」
オメガの提案は以下のようなものだった。
赤字子会社の損失認識を先送りにし、不利な契約を別会社に移す。
オフショア会社を利用し将来発生する巨額費用より、現在の利益を優先する。
オメガの提案は、今すぐなら使えた。
だが……これは使えない。
カルロスは結局辞表を提出した。
それからは、GLの中から経営陣が選ばれ、
オメガを使った経営がされるようになった。




