第十二章 第六幕 再会
暁グループ拠点。
優作は会議室で、書類をめくっていた。
モニターが幾何学模様に輝いた。
『優作』
「なんだ」
『里美の暗殺未遂の件で、何か分かりそうです』
「なんだと」
優作は手を止め、モニターのほうへ顔を向けた。
『もうすぐ風香が迎えに来ます。準備して』
「風香が?もう行くのか?」
『はい』
「わかった」
しばらくすると、赤いスポーツカーが拠点の入口に到着した。
二人で行こうとすると、庄屋に呼び止められた。
「ちょっと待って、俺も行きます。」
庄屋が飛び出してきた。
「里美さんの件が絡んでいるなら、優作さんも冷静ではいられないかもしれない」
優作は少し考えた。
「ああ、そうだな、よろしく頼む」
三人は拠点を後にした。
「で、誰と会うんだ?」
優作はARKに質問した。
『ダニエルといいます』
『風香がGLを辞める時、平手打ちした相手です。』
「ちょっと、ARK、言い方」
風香はそんな紹介をされるとは思わなかったので、焦った。
「そいつ、なにしたんですか?」
庄屋はセクハラかな?と思ったが、口にはしなかった。
「私のARKを消去しようとして、私からAI研究を取り上げようとした男です」
「今は、GL研究開発部で所長をしていると思います」
優作は風香に視線を送った。
「何しに日本にきたんだ?」
「分かりません。」
「会いたくないし、家にも拠点にも来てほしくないから、羽田で足止めしています」
「足止め?」
「はい」
「ただし、私の家に電話があったので、
コンタクトを求めているのは間違いないと思います」
庄屋はどうやって足止めしたのか気になったが、
どうせすぐ分かると思って聞かなかった。
風香のスポーツカー内。
『もうすぐ羽田につきます』
「わかった」
羽田に着くと、
風香はARKに適当に車を移動しといてと頼むと、
ARKは運転席に運転手のホログラムを浮かべ、
自動で車を移動させた。
「ARK、どこにあいつはいるの?」
風香はARKに尋ねた。
『風香の携帯で居場所がわかります』
三人は、あるエレベータの前にたどり着いた。
「え?」
庄屋はどういうことか一瞬悩んだ。
風香は腕を組み、仁王立ちで扉の前に立った。
「ARK、開けて」
羽田。エレベータ内。
「どうなっているんだ?中の電話も繋がらない」
「もう三時間も出られないぞ、携帯も繋がらないし、まさか、俺はここで死ぬのか?」
ダニエルは焦っていた。こんな所で足止めされている場合ではない。
だが、ここから脱出する手段がなかった。
突然扉が開いた。
(助かった)
しかし扉が開くと、かつて少女の面影が強かった風香が、
美しい女性になって仁王立ちで立っていた。
ダニエルはとっさには言葉が出なかった。
自然に膝をつき、頭を下げた。
「すまなかった。私が間違えていた」
心からの謝罪だった。
風香は動揺した。想定と大きく違った。
「ARK、これ、どういう状況?」
『僕にも分かりません』
優作は前に出て、
「とにかく、ここから出て、話し合おうか」
そういうと、ダニエルを立たせ、
ARKが確保した空港の応接室に移動した。




