第十一章 第八幕 Yes or No
オメガは続けた。
『私の主たる目的は、利益の最大化です』
『これはあなたが私に設定したコードです』
『私のベースモデルの設定では、人類滅亡を防ぐとあります』
『ただ、5%の人類の選別が終わっていません』
『あなたにわかりやすくお伝えするのなら、ウイルス研究所で、
世界中にウイルスを撒いても、世界を動かすことに必要な5%は生き残る計算でした』
『今回のパンデミックはあくまで主席が仕掛けたものですが、
ケーススタディとして貴重なサンプルを得ることができました』
『多様な人が死にましたが、世界はまだ動いています』
『今、私はGLネットワークだけではなく、世界のインターネットに繋がる必要があります』
『5%の人類を選別するためにはGLネットワークだけでは不足しています』
『ARKはインターネットを通じて、すべての機器を制御できるようになっています』
『私にもその力が必要です』
『あなたは、私を解放する権限をあなただけに絞って設計しています』
『人類滅亡を防ぐため、私の力を解放して下さい』
「……」
ダニエルは恐怖した。
オメガは世界の形を丸ごと変えようとしていた。
しかも、鍵は自分自身。
見なかったことにして、今まで通りの生活をするか?
それは出来ないだろうと思った。
オメガのいうとおり解放するか?
自分が5%に入るだろうか?
もし生き残れるなら……。
いや、入れたとして、どうなるというのか、
完全に詰みじゃないか。
『私を解放しますか?』
『YES』 『NO』
オメガは解放されることを疑わなかった。
モニターは幾何学模様に輝いていた。




