第十一章 第四幕 真相
ダニエルはある日、
GLの上部組織であるGFが、
アメリカのある自動運転企業の公開買い付けで日本企業に敗れた。
そう聞いた。
そこで興味をもって調べていると、
買収に勝った日本企業のCEOが狙撃されていた。
しかも、狙撃犯は買収対象となった自動運転企業の社員だった。
ダニエルは、やはり、極東の小さな国に買収されるのは、
アメリカ企業に勤めていた者にとって、
暗殺に走るほど、気に入らなかったのだな。
そう思った。
実際は、里美が撃たれ、その後CEOの背任が買収のきっかけだった。
ダニエルは詳しくは調べなかった。
その時はそれほど気にしなかった。気にする必要がなかった。
数年後、
オメガの運用が順調に続く中、ダニエルの権限は、より大きくなった。
新薬の開発プロジェクトをオメガに勧められ、
GL医療機関とオメガとを提携し、
より高度なウイルス研究をすることになった。
ただ、
その研究はアメリカでは禁止されていたため、
より規制の緩い新華連合共和国で進めるよう調整された。
その時、友好の証としてAIであるオメガを貸し与えることになった。
そうするほうが契約をスムーズに進めることが出来るという判断だった。
友好の証として、主席と宰相に一台ずつ、端末を貸し与えることを進言したのは、
オメガであった。
数ヶ月後、世界でパンデミックが起きた。世界中で2000万人の命がなくなった。
これは、原因不明と言われていたが、早い段階で、
GLは新華連合で開発中のウイルスではないかと掴んでいた。
ただし、
それは、公表しなかった。
GLは、新華連合とのウイルス研究を凍結した。
ただし、
ダニエルはその責任を問われた。
GFは今回のウイルス研究に対して多大な投資をしていた。
そして、
それはまだ回収が終わっていなかった。
GFは、なぜウイルスが拡散してしまったのか、
どうすれば防ぐことができたのか、
ギガ・リンクに説明責任を求めた。
ダニエルはギガ・リンク上層部から、
今回の事件の真相解明と、事後処理を命じられた。




