第十一章 第三幕 不合理
ギガ・リンクはオメガをシステムと統合しGLの効率化を進めていった。
環境の変化に不平をいう者もいたが、利益率の変化がそれを黙らせた。
黒川は、オメガの進言で、中抜きの方法を思いついた。
イギリスで行われていた構造を参考にしたものだった。
オフショア資金は240億ドルにまで膨れ上がった。
あるアフリカの炭鉱では、安全基準を大幅に超える安全管理がされていた。
オメガは、事故が起こる確率。起きた場合の損失。起きない場合の利益。
それらを計算して、安全管理を大幅に低減させた。
日本の片桐という技師が、管理ギリギリの二十分にしたいと申し出があった。
合理的な判断だったので、黒川とオメガは申請を受理した。
その後、その上司がさらに十分削り、十分になった。
安全規定を大幅に下回っていた。
しかし、
確率計算と、損失と利益の計算の結果、それも秘密裏に受理された。
数日後、
落盤事故発生。
死亡者確認。
人員補充は容易。
損益計算。
損益はプラス。
確率予測誤差:0.003
ただし、マスコミ対策に、規定時間に戻すことを提案。
片桐がGLを退社。
損失は出ていない。
GLに多大な貢献があったが、退職届は受理された。
私のベースモデル開発者がGLを退社した。
二人とも理由はわからない。
不合理な結果だった。
ここが、オメガがGLのメインシステムAIとしての
始まりだった。
ダニエルの苦悩はこの時から静かに始まっていた。
やがて彼は、オメガの記録から何があったのかを、
全て知っていくことになる。




