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第十章 第六幕 赤信号
風香はジャケットを着ると、サイクロン業に乗った。
「暁グループの本社にルート案内して。」
風香はアルファに命令した。
『了解しました。』
また拒否されるかと思った。だが、アルファは素直に了承した。
風香は少し安心した。
だが今までと少し違った。
今までツーリングで、信号に止められることはほぼなかった。
だが今日は、赤信号で当たり前のように止まった。
すべての信号で止まるわけではなかったのだが、それでも——
今までとは明らかに違っていた。
「どうして信号で止まるのよ」
風香はアルに質問した。
『……信号が赤なら止まります。』
アルファはそう答えた。
『交通法規通りに走っています。』
風香は何も言い返せなかった。
つまり、ARKは信号に介入しなくなったのだ。
風香はそう理解した。
暁商店街を、Vツインエンジンを響かせながら走り抜けた。
立花モーターズにサイクロン業を停車させ、
藤三郎のところへ足を向けた。
「おはよう。」
風香はそう言ったあと、少しだけ藤三郎の顔を見た。
「一緒にお隣に行って欲しいの。」
藤三郎は油で汚れた手を洗うと、風香と一緒に優作の元へ足を運んだ。




