第十章 第三幕 確信
立花モーターズにて、
藤三郎が風香に話す。
「風香、いいか、わしはお前が心配なんだ。」
風香は少し困ったように、
「でも私もいつまでも子供じゃないし、
誰もいない屋敷で、一人でいるのは嫌なの。」
そう、風香は言った。
「もうすこし、私を信じて欲しい。」
そう言うと風香は藤三郎の目をみた。
「……。」
「わかった。わしの負けだ。」
「だが、いつもわしがお前を心配しているのは分かっていてくれ。」
藤三郎はそう言うと、店の中に入って行った。
風香はサイクロンに近づき、アルファに話しかけた。
「アル、あなた何か知っているでしょう?」
『……。』
アルファは何も答えなかった。
「いいわ、今日はもう帰る。」
そう言うと、今まで言うことを聞かなかった、サイクロンのエンジンが掛かった。
「その態度が、私に確信させるのよ。」
風香はボソッとつぶやいた。
鳳邸にて
風香はサイクロンをガレージに入れると、
その横に置いてあるパソコンデスクに座った。
「……。」
「結論から言うと……もうこれしか考えられない。」
「ARK、見ているんでしょ、出て来なさいよ。」
『……。』
「私がアルを開発していた時、デバッグをしたのはあなたでしょ。」
『……。』
「わたしがジャイロを計算していた時、間違いを指摘してきたのもあなたね。」
『……。』
「どうして今日私がお父さんの所に行こうとしたのを止めようとしたのよ。」
『……。』
『……あなたを愛しているからです。』
『暁グループは危険です。』
『私はあなたを危険から遠ざけたい。』
『あなたを守りたい。』
「……。」
「……ARKが生きていた。」
風香の目から大粒の雫が落ちた。




