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第八章 第十幕 引っ越し
藤三郎は静香と結婚した。
すぐに子供が生まれて、風香と名付けた。
風香は天才だった。
二歳の時には、もう小学高学年程度の学力があった。
五歳の時、静香と一緒に公園に行った時、
小学校五年生くらいの男の子が、
何か武道のようなものを習っていた。
何度向かっていっても返り討ちにされ、
泣いていた。
男の子に近寄って風香が何か耳打ちした。
次に向かっていった時、指導していた男が尻餅をついていた。
風香と男の子は目を合わせて笑った。
その男の子とは、友達になった。
だが、
風香たちは東京近郊に引っ越すことが決まっていた。
暁商店街のはずれで立花モーターズを開く。
その隣で、
静香が喫茶店をすることを決めていた。
だから、
風香とその男の子が、
また出会うのは大人になってからだった。
しばらくして、
藤三郎と家族が暁商店街に引っ越した。
その街は活気に満ちていた。
風香は六歳になっていた。
藤三郎は、三重のバイク店を知り合いに売り払い、暁商店街のバイク店を買い取った。
喫茶店は後から建てた。
静香は大学で学んだ経営学を生かして、店を繁盛させた。
でも、裏側では風香がアドバイスをしていた。
暁商店街は、立花一家を迎え、新しい風が吹いていた。




