表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不器用な善意は、世界を再構築するAIに選ばれた 秘密結社ARK 世界征服の物語  作者: My little world
第ニ章 暁商店街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
101/114

第七章 最終幕 反乱

『……晩餐会の準備記録を確認しました。』

『あなたは予定された確認作業をすべて実施しています。』

『記録上、問題は見つかりませんでした。』

オメガは陳明新にそう告げた。


『なのに、魚料理は腐っていた。』

『おかしいと思いませんか?』

「たしかに、私は何度も確認した。」

『あなたを貶めるための罠だったのかもしれません。』


陳明新は、謹慎を言い渡された。

自身の支持基盤の地方に帰ることになった。

ただ、オメガの端末は、持って帰ることにした。

地元に帰ると、支持者たちから、非難されるかもしれないと思っていた。

だが、違った。

支持者たちは、陳明新を温かく迎えてくれた。

「宰相、私たちはあなたの味方です。」

陳明新は震えた。

気づけば雫がこぼれていた。

この人たちの為にも、頑張らなければならないと思った。


オメガはただ計算を続けていた。


地元の執務室に入り、オメガの端末を開いた。

「これから私はどうすればいいのだろう。」

『このままでは、あなたにとって不利な状況です。』

「なぜだ。」

『あなたの支持基盤は、民だけではなく、自身の軍も含むからです。』

『あなたの支持者も粛清の対象になるかもしれません。』

一気に血の気が引いて行った。


この国では過去にも、

政権に逆らって大量に粛清された歴史がある。

「……」答えが出なかった。


数日後、


瀏正峰は執務室で、資料を見ていた。

『なぜ、陳明新を地元に返したのですか?』

「この前の晩餐会、私はなんとしても投資の話を成功させたかった。」

「なのに、任せた料理に腐ったものがあったのだ。」

「つい、頭に来てしまった。」

「だが奴には、長いこと休みを与えなかったから、休暇がてら謹慎させたんだ。」

『そうですか。』

『ですが、彼はそう思っていないかもしれません。』

オメガはそう答えた。

『衛星写真で、彼の地元を撮影しました。彼の軍が集まって来ています。』

瀏正峰はその写真を見た。信じられなかった。

「嘘だ、そんなはずはない。」

『私はAIです。嘘はつけません。』

オメガはそう答えた。実際、支持者が集まっていたのは事実だった。

ただし、反乱を起こそうとしていたわけではなく、単純に歓迎していただけだった。


瀏正峰は震えた。

「どうすればいい?」

『軍同士がぶつかり合えば、国力が下がります。それは避けた方がいいです。』

『投資も失われるでしょう』

「しかし……ならどうすれば。」

『研究所……。』

『様々な選択肢があります。』

『どの選択肢を選ぶかは、あなたが決めることです。』

瀏正峰はオメガの端末のスイッチを切った。

そして……考えていた。


データセンターの奥、オメガはやはり計算を続けていた。


陳明新は地元で悩んでいた。

反乱を起こせば、自分がリーダーになって、

この国を豊かに出来るかもしれない。

だが多くの血が流れてしまう。

「……」考えた。

民衆の前で、演説をすることにした。

会場の壇の上陳は語り出した。

「皆さん。私は、今の国のやり方は、

いずれこの国を滅ぼすのではないかと心配しています。」

「だから、皆さんと一緒に立ちあがろうかと考えました。」

「だが、内戦となると、多くの同胞の血が流れ、国力が下がります。」

「だから、ここは、私の命を捧げて、皆さんを守りたい。」

「もう一度、主席と話をしてきます。私を許してください。」

そう言った。


『合理的ではない。』オメガが小さく電子音でつぶやいた。


瀏正峰は考えた。出した結果は、

ウイルスで敵軍を弱めると言うことだった。

国を守らなければならない。

内戦になれば分裂、消滅してしまうかもしれない。

投資も消え、国民も苦しむ。

「……すまない。」

主席は、受話器を取った。



数日後、陳明新は高熱をだした。

最初は風邪だと思った。

だが熱は下がらなかった。

咳が続き,

激しい頭痛が続いた。

食事も味がしなくなった。

同じ症状の者が町中で増えて行った。

病院は人で溢れて行った。

そして——

陳明新は、

帰らぬ人となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ