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ピンク・スコーピオン!!  作者: 水柴ロク
46/61

#46 アリーヤの覚悟

挿絵(By みてみん)

「私は反対よ!子どもをそんな危険な所に連れていけるわけないでしょう!」

アリーヤはレジスタンスのコアと共に、宇宙帝国デッド・オリオンからミカを助けようと母を説得中だった。

「ピンクの花の花言葉、覚えてる?」

ローザは顔をしかめながらも、説明をした。

「ピンクの花の花言葉は、(大胆)、(純愛)、(貞節)。この町では皆が愛にあふれ、優しく幸せになれるよう、飾っているのよ」

「ミカが好きな花だったんだ」

アリーヤはぽつりと言った。

「この家にしばらく住んでたミカもね、ママが飾ってるその花が大好きで、よく写真に撮ってたんだ」

アリーヤの目から、涙が一粒こぼれた。彼女の右手にそっと手を置くローザ。アリーヤは、1眼レフのカメラを手に取り、再び口を開く。

「……このカメラさ、親友がくれたんだ。私ね、人生でイヤな事が多くてさ、つい投げやりになっちゃうんだ。 そんな時に、親友は励ましてくれたの。この世界にはここよりもっと楽しい場所がある。いつか二人で、そこに行こうって。」

「アリーヤ……」

突如、瞬く間に閃光が走る。頭上で巨大な爆発音がしたかと思うと、アリーヤ達の家が爆撃、破壊され、ガレキのように崩れ落ちた。アリーヤ達は身をふせる。

残骸からはい出るコアとアリーヤ。

「何……?今、何が起こったの?」

コアが答える。

「デッド・オリオンだ!ボクの居場所が突き止められたんだ!」

アリーヤは辺りを見回す。ローザが居ない。

「ママは?ママはどこ?」

「動くな」

アリーヤの背後に見慣れない武装兵が立っており、2人に銃を突きつけた。

「デッド・オリオン!」

コアが叫んだ。その瞬間、兵士は彼をビームガンで撃ち落とした。

「コア!」

アリーヤは叫ぶ。撃ち落とされたボール型のコアを掴もうとする、デッド・オリオンの兵士。

「レジスタンスのスパイ!見つけたぜ!」

するとがれきから這い上がったローザが、兵士に体当たりをする。

「逃げなさい、アリーヤ!」

すると兵士は、ローザに仕返しをし、ローザは倒れる。

「ママ!!」

悲鳴を上げるアリーヤ。

するとコア(左前頭部が壊れ、機械がむき出しになっている)が起き上がり、目からビームを放ち、兵士を倒した。

「速く、逃げるんだ」

アリーヤは、ボール型のコアを抱きかかえ、ローザに手をまわして逃げていく。デッド・オリオン軍の兵士が、宇宙船が、町を破壊して行く。オリオンの司令官・ナンバー06は叫ぶ。

「破壊だ!人類を破壊しろ!領土は我がデッド・オリオンの物!」

次の日の朝。病院の待合室で、アリーヤはスマホ片手に話している。

「うん、私は無事。ありがとう、おばあちゃん。それじゃ。」

アリーヤは電話を切った。コアがたずねる。

「どうだって?」

「ママの治療費は、おばあちゃんが出してくれるって。」

アリーヤ、母の病室に来る。コアは言う。

「僕はデッド・オリオン戦艦内で時空移動マシンを起動し、デッド・オリオン軍を元の宇宙に返す事が使命だった。マシンの設定で標的を設定すれば、デッド・オリオン軍をすべて、元の宇宙に返せる。マシンの製造技術は失われているから、それを壊せばヤツらの時空移動は不可能になる。しかし肝心の僕がこのざまじゃ、望みは絶たれた。ヤツらの攻撃が再開すれば、人類は間もなく滅びる」

「そんな、何か手は無いの?」

「そうだな……僕の乗ってきた脱出ポッドを使って、敵船に突っ込めば、可能性も無くはない。」

アリーヤとコアは森へ行った。

「このあたりに落ちたハズだ」

森の奥には池があり、池にハマった直径2メートル程の、灰色の丸い物体がある。

「これが……脱出ポッド?」

と、アリーヤ。

「故障している。修復は無理だ。私も故障しているから、ポッドを修復できても操縦できるかどうか・・・」

「なら、操縦方法を教えてよ」

アリーヤは真剣なまなざしで言った。遠くの空で、デッド・オリオンの宇宙船が飛んでいる。宇宙船は光線で街を破壊しつくす。アリーヤは言った。

「コンロとカメラくらいなら、修復できるよ」

病院の廊下。重症患者が大勢運ばれて来る。家のガレキから修理道具を出すアリーヤ。夕方。なんとアリーヤは、脱出ポッドを修理したのだった。これにはコアも驚いた。病院。アリーヤは、眠っているローザの元へ行き、手紙を置く。

「ママ……今までありがとう。愛してる」

病室を去っていくアリーヤ。小型ポッドに乗ったアリーヤ。コアも一緒だ。首にはカメラをさげている。

「いいのか?アリーヤ。マシンを壊したら、キミはもうここへは戻れないぞ?」

「仕方ないよ。私がやらなきゃ、ミカは政略結婚のままなんでしょ?そんな事はさせない。私がミカを救ってみせる!」

脱出ポッドはゆっくりと、空へと浮上した。

「トンデモ作戦、実行するよ!」 

つづく


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