第二章 第七十三話 到着~夫婦の時間~
お待たせしました!
「わあっ!ここが水都なんだね!街がキラキラ輝いてるよ!綺麗だね、グラン!」
水都へと無事にたどり着いたグランたちは早速街並みを見て回ることにした。
門の前で一度解散した一行は何人かのグループに分かれて街を散策していた。
グランはティナと一緒にホテルを探して歩き回っていた。
ティナが言うように水都の街並みはとても綺麗であった。
水路の水は透き通っており、太陽の光を乱反射して周囲の住宅の壁を照らしていた。
水都の家は湿気と熱の対策なのか、住宅の外壁を白い漆喰で塗り固められていた。
ティナはそんな光景を目にして、尻尾をはちきれんばかりにフリフリ。
久しぶりにグランと二人きりになれたこともあるのか、とても上機嫌のようだ。
二人で商店街を歩いたり、出店で軽くご飯を食べているうちに冒険者ギルドへとたどり着いた。
「こんにちは!冒険者ギルド水都支店へようこそ!登録ですか?ご依頼ですか?」
「こんにちは!ちょっと聞きたいことがあって」
「旅行で水都へ来ているんだけどどこかいい宿を知りませんか?」
「宿ですね!かしこまりました!もしお持ちでしたらギルドカードのご提示をお願いします!ランクによってはサービスや割引が受けられる可能性もあるので」
「「お願いします!」」
「えっ!?こ、これはSSSランクのギルドカード?こっちの子もBランク?」
「あ、あのー?大丈夫、ですか……?」
グランとティナは冒険者ギルドで宿の情報を聞くため受付へと向かった。
どうやら冒険者登録をしていると提携を組んでいる宿でサービスや割引が受けられるらしくギルドカードの提示を求められた。
しかしティナはBランク、グランに至っては最高ランクであるSSSランクだ。
若い二人組がそんな高ランクの冒険者だったとは思わず、受付嬢が固まってしまった。
するとその様子を見ていたほかの受付嬢がギルドマスターを呼んできた。
「なんだなんだ?SSSランクの冒険者様が現れたって?そんなガセネタに騙されるかよ」
「本当にSSSランクのギルドカードを持っているんですって!偽造品でないことも確認済みです!」
「だからって嘘をつくにしてももうちょっとましな嘘をだなぁ……はっ?」
「あっ!お久しぶりです、アッシュさん!まさかギルドマスターになっていたなんて知らなかったですよ」
「えっ!?グラン?なんでこんなところにいるんだ?」
アッシュはグランがAランクに上がって間もないころ、ともにギルドの護衛依頼を請けて以来の仲だ。
たまにギルドであっては一緒に食事をとったり、依頼を請けたりしていた。
お互いにSランクに上がることを目指していた二人はよく一緒の依頼を請けていたのだ。
「そうか、まさか噂に聞いていたSSSランクの冒険者がまさかグランだったなんてな。ということはこの前の王都で起こったスタンピードを止めたのもグランなのか」
「こっちも冒険者を引退してギルドマスターをやっていたとは思いませんでした。あの後ランクはどこまで上げられたんですか?」
「実はSランクに上がる前に少し大きな怪我をしちまってな、それで冒険者のほうは引退したんだ。でもギルドがギルドマスターで雇ってくれるっていうんでそれにのっかったってところだな」
「そうだったんですね……。怪我のほうはもう大丈夫なんですか?」
「ああ、今はもうほとんど痛むことはねえ」
「一応回復魔法かけておきますね。完全治癒再誕の雷」
グランは神聖属性と時空属性の二属性複合魔法である完全治癒と雷属性の最上位回復魔法である再誕の雷を発動した。
完全治癒は全ての怪我や病気、状態異常を癒す魔法であり、再誕の雷は全身に電流を流して細胞を活性化させ、自己治癒力を高める魔法だ。
特に再誕の雷はヒナタと霊約したことによって大きく効果が上昇し、一度発動すると二週間は対象にその効果が残るようになった。
これも時空王の効果の一つであり、対象となる魔法を指定して、時間を操ることにより、大幅な持続発動を可能にしたのだ。
「グランお前……また強くなったんだな。SSSランクになったのも納得がいくぜ。まあそれはいいとしてわざわざありがとうな。おかげですっかり治っちまった。それどころか体の調子がすこぶるいい。今なら全盛期よりもいい動きができそうだぜ」
「それはよかったです!もし冒険者として活動に復帰できそうならまた一緒に依頼を請けましょう!」
「ああその時はよろしく頼むぜ!そんで宿だったな」
「そうなんですよ。全員で10人なんですが」
「結構な大人数だな!それだと海猫の宿り木がお勧めだな。あそこなら部屋数が多くて防犯もしっかりしているし、何より飯がうまい」
「ありがとうございます!じゃあそこに行ってみますね!」
「また何かあったら遠慮なく訪ねてこい!」
***
「さっきのギルマスはグランの知り合いだったんだね」
「そうなんだ。ティナを村に送ってから入試までの間にギルドで依頼を請けたんだけど、その時に知り合った人だよ」
「そこで請けた依頼がグランをそこまで強くしたの?」
「まあそれもあるけど、一番はティナを守りたかったから……」
「グラン///」
二人で教えてもらった道を歩いていくと海猫の宿り木が見えてきた。
とても雰囲気の良い宿で、質素ながらもかなり高級な宿であることがうかがえる外見だった。
二人は宿で部屋を押さえるとほかのみんなとの集合場所へと向かうのであった。
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