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婚約破棄された聖女様に次の婚約者として選ばれたのは世界最強の傭兵でした〜怖がられてると思ったが俺の溺愛がダダ漏れだった〜  作者: 久方久米


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第5話『あいつの望むもの全て、力尽くでやってやろう』(脳内:マイエンジェルの恋人繋ぎは……腕をへし折る関節技ですかァァァァ!?)


 ── 宣誓。


 ──顔面の怖いボクは、最愛のマイエンジェルの為に、史上最上級に甘やかし、全力の限り溺愛をして、最高のデートにしてみせることをここに誓います!


 そういう意気込みを決めて朝がやってきた。


 アリシアは、ぐっすり眠れていただろうか。


 はたからみたら恥ずかしい、土下座警備をされているストレスで睡眠不足になっていなければよいのだが……。


 メイドにアリシアの身支度をしてもらって、これから街に出かけよう。


 「──それでは、行くぞ。着いてこい」


 (新しいドレス可愛いィィィィ!!この世のどの女性よりも素敵だァァ!!このレディが本当に婚約者でいいのかァァ!?良いに決まってんだろォォォォ!!)


 「──はいっ……!?よろしく……お願い……しますっ……!!──」


 (朝からこんな冷徹な声でエスコートしてくれるなんてっ……!新しいドレスも気づいてくれたのね!大丈夫よね!?傭兵様の好みに合うのかしらっ……!?愛に狂っちゃうっ……!もっと甘えたいのぉ〜!!)


 ドレススカートの両端を握り締めながら、聖女アリシアは小刻みに震えていた。


 俺は……またやってしまったのか!?


 あまりの緊張で、ドスの効いた言葉になってたか!?


 いや……もっと恐ろしい何かになっていた。


 (聖女を誘拐する魔王みたいじゃないかァァァァ!!ジロジロと舐め回してみてないからねェェ!?ボクは……マイエンジェルにメロメロなだけなんだァァァァ!!)


 メイドがアリシアの気をなだめてくれて、落ち着きを取り戻し、これから街へと繰り出した。


 可憐な聖女は、街を歩くだけで人々の視線を釘付けにする。


 無理もないさ、こんなに可愛い&ビューティな聖女なんてこのアリシアだけだからな!


 いかんいかん、あんまり見られていたら嫉妬してしまいそうだから、気をしっかり保たねば。


 気を取られていると、アリシアの視線が氷菓子に向けられていた。


 なるほど……あぁいうのが好みなんだな。


 もの珍しいし、今時の女の子には流行るだろうな。


 ならば、やってやれなくもない!


 「──あれが欲しいんだな?力尽くでやってやろう」


 (空回ったァァァァ!?これじゃ、略奪王じゃないかよォォォォ!!街を蹂躙する魔王か俺はァァァァ!!マイエンジェルの欲しいものを全て買いしめたいだけなんですゥゥゥゥ!!)


 「──はいっ…!?──」


 (うそっ……そんなことあるのっ……!?傭兵様は私の考えることなんてっ……お見通しなんだわぁ!?気になる物全てに先回りしてエスコートしてくれるなんて……紳士すぎてドキドキしちゃうぅ〜!!)


 屋敷に居る時よりも、アリシアの顔は引きつっていた。


 余程の恐怖を与えてしまったか!?


 こりゃ……マズイぞ……。


 計画が丸潰れになってしまう。


 ──全ては、聖女アリシア様の為に!


 アリシアの視線の先にあるもの全てを目の前で、買収及び屋敷に常設する手配をした。


 ドレスのオーダーメイド職人も、氷菓子屋、宝石店のアクセサリーを買い漁る。


 (ヤケクソじゃァァァァ!!ウチのマイエンジェルのご所望の品は全部ボクの物だァァァァ!!愛してるよ……アリシアたぁぁん!?)


 ボクの暴走もさておき、全ての店舗は屋敷へと明日から常設となった。


 本日のデートも佳境となり、何一つエスコート出来ないまま、時間だけが過ぎるのだった。


 何も成果を残せてないぞ……どうすんだこれ……。


 『野蛮な人なんて嫌いですっ!』って往復ビンタされても仕方ないような出来の悪さだ。


 「──傭兵様!!」


 (いいよねっ……今日は初めてのデートだもの!私の方から手を繋げばって……出来るかしらっ!?いや……やるのよ私っ!ありがとうを伝えなきゃ……きゃー!キュンキュンしちゃう〜!!)


 ──これは……なんだ?


 ──アリシアがボクの服の袖を掴んで、うつむきながら震えているだと!?


 違う……これは、傭兵の俺だから分かる負の感情。


 圧倒的な殺意だァァァァ!!


 (ごめェェェェん!!ボクのエスコートがおかしかったんですゥゥゥゥ!!殺さないでぇぇ!!あ、やっばいどうしよう……マイエンジェルが手を握ってきちゃー!!腕をへし折りにきたんだァァァァ!!ひれ伏しますゥゥ!!)


 屋敷に帰るまで、アリシアは手を繋ぎっぱなしだった。


 これ以上の醜態は、絶対に許さないって脅しなんだろう。


 握る力が強いのか……というか、指を絡めて俺の右手を拘束している。


 なんて柔らかい手なんだ。


 ちっちゃくて、かわちい!!


 メロメロになって……溶けちゃうのー!!


 いかんいかん、私情がダダ漏れだった。

 

 苦しい戦いであったが、どうにか屋敷へ帰りつくことができたようだ。

 

 マイエンジェルの攻略は、まだまだこれからだということだな。


 「──旦那様、お手紙が届いてますよ」


 「──そうかメイドよ。受け取っておこう」


 帰宅早々に嫌な予感がした。


 差出人は、傭兵仲間のギースからだ。


 軽く内容を見る。


 感想なんてろくに思いもしなかったから、粉々に粉砕してやったよ。


 俺には何も関係のない話し……。


 俺は、今ここにいるマイエンジェルの為に甘やかすことで忙しいんだコノヤロー。


 (一方、その頃。手紙の内容から抜粋するに、王子の国では聖女アリシアが保っていた、神聖なる結界の封印が今まさに解けつつあるのだという。愚かな王子たちの国が崩壊し始めているらしい)


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!


「少しでも面白かった!」「傭兵の脳内セルフツッコミに笑ったw」「アリシアが可愛すぎる!」と思っていただけましたら、下にある【☆☆☆☆☆】の評価欄から【★★★★★】で応援していただけますと、めちゃくちゃ執筆の励みになります!


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次回第6話からは、いよいよ元王子たちの自業自得なざまぁ&お屋敷での甘々生活がさらに加速していきます。

明日の更新(12時頃)もどうぞお楽しみに!


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