↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/97

第89話:五大神獣+シロガネの電磁水流コンビネーション!

三百体の重油機兵から放たれた沸騰重油火炎が、夜の砂漠を紅蓮の業火で埋め尽くした。

 千度を超える熱波が空気を焼き焦がし、呼吸するだけで肺が焼け爛れそうな猛毒のスモッグが津波のように押し寄せる。

 さらに、先頭の大型指揮官機に乗る機兵隊長バレルが、右腕の超重量兵器【重油電磁パイルバンカー】をガシャンと装填し、油圧ピストンをフル稼働させてアッシュたちへ向けて突進してきた!

 キャタピラと二足歩行ユニットが地響きを立て、スクラップ・キャニオンの鉄屑を踏み砕きながら加速する。

 先端が高速回転する超硬タングステンの杭が、アッシュの胸元を狙って容赦なく突き出される。


『死ねぇぇっ! エジソンの娘もろとも、大地ごとミンチにしてくれるわぁぁっ!!』


 その凶悪な突進速度は時速百キロを超えていた。

 だが、絶望の悲鳴を上げようとしたコレットの眼前で、アッシュの足元から眩い五色の神聖光が爆発した!


「グルルルル……ワオオオオオオオオッッッ!!」


 先陣を切ったのは、天狼コハクであった!

 子犬のように愛らしかった姿から、一瞬にして体長二十メートルを超える神話級の神狼へと真の姿を完全解放!

 白銀の毛並みを逆立て、虚空に力強く前足を叩きつけると、大地の引力場を極限まで歪曲させた【超重力偏向防壁(グラビティ・ウォール)】を前方へと展開した!

 ズズズズズズズズズッ!!

 突進してきたバレルのパイルバンカーと、三百体の機兵から放たれた数百トンに及ぶ沸騰重油火炎の奔流が、コハクの不可視の重力壁に激突!

 物理法則を完全に無視するように、火炎も杭の衝撃波も直角に上方へとへし曲げられ、夜の砂漠の空を無駄に焦がす!


『な、何だとぉぉぉっ!? 全質量攻撃が、真上へ弾かれた……!?』


 バレルが驚愕の叫びを上げる間もなく、空から神話の鳥が舞い降りた。


「ピィィィィィィィィッッッ!!」


 不死鳥ルビーが紅蓮の翼を大きく羽ばたかせた。

 天界の聖なる神聖火炎の熱波がシャワーのように降り注ぎ、空中に充満していた未燃焼の重油粒子、タール、そして硫黄ガスを一瞬にして完全酸化!

 真っ黒な毒煙が、瞬く間に清涼な酸素と無害な水蒸気へと変貌していく!


「キュオオオオオオオオオッッッ!!」


 海竜サファイアがアクア・エクスプレスの水槽から弾け飛び、螺旋を描く神聖純水のウォーターカーテンを全方位へと展開した。

 地面に飛び散っていた重油スラッジが、マイナス百五十度の極低温神聖水によって瞬時に冷却・凝固され、引火の危険が完全にゼロへと封殺される!


「シロガネ、ライカ! 機械野郎の頭脳をショートさせてやれ!」

「きゅいっ!」

「ブルルルッ!」


 アッシュの号令に、新加入のメカ白狐シロガネと紫電鹿ライカが完璧な同期を果たした!

 シロガネは銀色の閃光となって機兵部隊の頭上をアクロバティックに跳ね回ると、バレルの指揮官機の首元へピタリと着地!

 九本のモフモフの尻尾の先端から伸びるナノ光ファイバーを、敵の装甲スリットの奥にあるメイン制御バスへと突き刺した!

 数百年もの間、孤独に耐え抜いてきた機械の守護神シロガネの怒りが、光ファイバーを通じて迸る。

(ワレラノ……オアシスヲ……カエセ……ッ!)

 そこへ、ライカの紫水晶の角から放たれた数十万ボルトの高電圧プラズマがシロガネを経由して流入!

 シロガネが自らの光電変換回路を通じて指向性超高密度【電磁パルス・ブラスター(EMP)】へと変調させ、機兵部隊の全ネットワークへと一斉逆流させた!


 バチチチチチチチッッッ!!!!


『ガガッ!? ギギギ……システム、ダウン……!?』

『操縦不能! 全電子回路が過負荷で焼き切れたぁぁぁっ!?』

『ば、馬鹿な……我が愛機が、たかが狐の小動物一匹にぃぃぃっ!?』


 電磁パルスを浴びた三百体の重油機兵が、火花を散らして一斉に硬直!

 自律プログラムと油圧電磁弁をショートさせられ、ただの動かない鉄の塊と化してその場にドミノ倒しのように崩れ落ちていく。

 さらに止めとばかりに、ケルベロス・クロが体長十五メートルの巨大な三頭犬へと変貌!

 三つの巨大な口から、アッシュの神聖水を圧縮した【三重神聖衝撃波ブレス】を、バレルの隊長機めがけて撃ち放つ!


 ドッガアアアアアアアンッッッ!!!!


『ヒギャアアアアアアアアッ!?』


 バレルの指揮官機はスクラップ・キャニオンの奥深くへとホームランのように吹き飛ばされ、鉄屑の山に突き刺さって完全に沈黙した!


『な……何だとぉぉぉっ!? 我が社の誇る最新鋭機兵大隊が、たった数秒で壊滅しただとぉぉぉっ!? バ、バケモノどもめぇぇ!!』


 上空の旗艦装甲飛行艇でグレゴリーが泡を吹いて絶叫した。

 コレットは口を開けたまま、目の前で繰り広げられた神話の戦いに呆然としている。

「す、すごい……! メガ・バロン重工の最強部隊が、手も足も出ないなんて……!」

 アッシュはレンチを軽く指先で回し、空の旗艦を鋭く睨みつけた。


「敵の掃除は終わった。……おいガンツ、ドリルを回せ! ボイラー爆発まで時間がないぞ!」

「合点承知だ旦那ァ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。