表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/107

第100話 宣言

 先生が戻って来た時は骨のままだった。

 暫くして肉が再生されていく経過を眺めていたけど、ケッコウ気持ち悪いわね。


「魔王様、あの魔素を利用して封印するのは間違いないようです」

「歴代の……というか、お父さんもやったのよね」

「確証は有りませんが、多分……」


 しかし、一つの問題がある。

 今の魔王にその能力が足りないという事だ。


「これ、私にしか出来ないのよね?」

「魔法陣を読み取りましたが、魔王である必要が有るのは封印を解く時だけです。ですので、魔王様が次の魔王に遺す為に魔王だけが解除出来るように結界魔法を組む必要があります」

「組手魔法より難しいわね」

「今までは黒帝を倒すときの魔力量があれば封印に問題ありませんでしたが、今回は足りないので……私を使って下さい」


 まっすぐな目で見詰められた。

 あ、まだ再生されてないから節穴だった。


「どうやって使うの?」

「直接魔力を譲渡しますが……」


 先生がシェリィを見る。

 何に気が付いたのか、シェリィがレノアとホゥディを連れて螺旋階段の裏に隠れる。

 メルスがじっと見詰めてきた。

 何をするのか興味津々の表情である。


「先生、魔法陣の結界は私でも作れるよね?」

「問題ありません。扉を封印するのは歴代魔王の最初の仕事かと思いますし、制御は可能です。魔力量の不足分は私が補いますが……譲渡の最高効率の方法はご存知ですか?」

「えーっと……まだ教わってないわ」


 先生がもっと近づいてきた。

 顔がっ、近いっ!!


「可能な限り身体を密着させ、最も放出の漏れが多い個所を塞ぐのです……」


 先生の顔が私の顔と密着している。


「少し我慢してくださいね……」


 私の唇が、先生の唇で塞がれた。

 そして、身体が急に熱くなるのを感じる。

 それが急激な魔力の譲渡なのは身体が理解しているけど、初めての事の方が気になり過ぎた。

 最後に横目で見たメルスは、腕を組んで目を逸らしている姿だった……。





 漲る魔力が目の前から溢れてくる負の魔素と混ざる。

 それを混ぜ合わせて魔力操作で結界を造り、それを具現化させる。

 まるで創造魔法でも使っているかのように、思う通りに形成されていく扉と、目の前の穴の奥にまで届く魔力で、結界が完成する。

 結界の魔法陣を完成した扉に刻み込み、負の魔素の漏れを塞ぐと、封印は完成した。

 そして、私はその場に倒れそうになるのを先生に抱えられ、気を失った。


「凄い魔力だったな」

「かなりの魔力を譲渡しましたが、ギリギリでしたか」

「もっと渡せばよかったじゃないか」

「魔王様の魔力の器というか、許容量が限界でしたので」

「なるほど、魔王にしか出来ない理由か」

「えぇ……魔王に成ると魔力の限界値が大幅に上がるのですが、お嬢様の時に何も起きませんでしたので、魔王様に成っても変わらなかったのです」

「そういう事か……しかし、今後に大きく影響が出るんじゃないか?」

「出ます。特に部下との契約も出来ないのでは……暫くはまた旅に出る事になりそうです」


 シェリイが終わったのを確認して戻って来た。

 ホゥディとレノアが心配そうにアイシャを見詰める。


「おねーちゃん大丈夫なの?」

「魔力を枯渇させてしまったので気を失っているだけですよ」

「そっかー、よかった」





 暫くしてアイシャが目を覚ました時には玉座に座っていた。

 少し離れた場所に待機していたのは先ほどと変わらないメンバーである。

 スケルトン達は居ない。


「お目覚めですか」

「うーん、なんか、知らない世界を見た感じが凄い」

「まぁ、それは経験という事で」

「まぁ良いわ。それじゃあ、次にやることは何?」


 魔王国領内に自分が魔王に成った事を宣言する。

 とても簡単な事な筈だが、とても面倒だった。


「本来は代々使用されている宣言書を読み上げる事で各地に設置されている魔王像から魔王様の声が出ます。壊されていなければそれで済むのですが、今回は他国に持ち出されている魔王像が有ります。魔王の復活を逸早く察知する為に盗られてしまった訳ですが、必要時以外はただの石像と変わりませんので問題ありません」

「宣戦布告も宣言するのよね?」

「スピーチ内容は考えてありますが、どうしても迫力も足りないですし、実行可能な軍事力も足りていません」


 そこでシェリィが先生にごにょごにょと何かを伝える。

 別に私に聞こえても良いと思うんだけどなぁ。


「それは本当ですかっ」

「はい。魔王城の別の地下ですが、何かの為に用意していたかのように1万体ぐらいのスケルトンが放置されていましたので」

「使役可能ですか?」

「可能です。必要でしたら全てを城外に出せます」

「これはイケマス。イケマスね。布告の内容を一部変更しましょう。スケルトンでしたら船も数隻で済みますし、借りられるでしょう」

「あまり強くないのが難点ですが」

「武器は扱えるのですよね?」

「一般戦闘の類なら可能です。武器は剣、槍、弓が使用可能です」

「素晴らしいほど優秀ですね」


 そこから先生から説明してもらい、宣戦布告の内容に一部修正を加え、草案が成案に成り、宣言をする為に玉座で魔力を籠めると反応する。

 宣言は以下の通りである。




「 予、アイシャ・ブイルダンは魔王国三十四代目魔王を宣言する。

  

  魔王国領に住む全ての国民の頂点に立つ

  魔王国のに住む全ての民は魔王が守護する対象である

  魔王国に所属する兵は魔王の命令を優先する  

  魔王国領の財産で個人所有以外の物は全て魔王が所有権を持つ

  魔王国領にて悪意を持って行動する者は魔王国の法を持って処罰する

  魔王国に敵意を持つ国に対しては魔王国の全てを以って抵抗する



  なお……えーっと……これ、読むの?

  そっちじゃなくてこっちのページからです

  ……ぉぃ、声が入っているぞっ!!

  あっ……


  

  なお、先代魔王を殺害した勇者はその罰を受けた……

  だが、それに加担した者は罰を受けていない

  手助けをし、侵略国のヘンデニル公国に対し、宣戦を布告する

  予の保有する死霊軍一万を以って侵略を開始する事を通告するモノである

  

  ……以上 」


  


 魔王国の国民は大歓声を上げ、新しい魔王の誕生を喜んだが、一部は喜んでいない。

 不和や嫌悪ではなく、純粋にこのアイシャという新しい魔王が12歳なのを知っていて、若過ぎると思ったからである。

 なにしろ、声は子供のままだ。

 この宣言は声と関係なく、文面としてギルドを通じて世界に広められ、リッカー達に届いたのは翌日である。

 召喚勇者の班目にも届いたが、こちらは侵攻を宣言された兵士の方が不安を抱えている。当初は数で圧していたが、予想よりも侵攻具合が遅くなっていて、その物量作戦が通用しなくなっている原因に、Sランク冒険者が関わっている事が分かったからだ。


「一度、退きませんか?」

「次は大丈夫だ、あの女を落とせる」

「何度も撃退されているじゃありませんか」

「次だ、次は勝てる」


 確かな手応えを覚えている斑目は勝ちを確信している。


「しかもあんな良い女だぞ、ハーレムに加えたいじゃないか」


 確かに美女ではあるが、その女に何人もの兵士がボコボコにされている事実も無視できない。

 ニールという女性がいなければこちらも大きな被害を受けていたのだ。


「またハーレムですか、隊長もお好きですね」

「お前もだろ」


 班目は気に入った女性は手元に残しているが、それ以外は兵士に開放している。

 女性を奴隷のように扱っているが、自分の傍にいるハーレム達は多少なりとも扱いが違う。そのなかでも特に別格の扱いの少女が控え目に声を掛ける。


「あ、あの……お手紙が届いています」


 受け取った手紙には貴族の連盟が有り、緊急とまで書かれていた。

 内容は救援を求めるモノが多く、実質的には撤退の要望書であった。

 






※おまけ



「次にアイツが来る時が最終決戦になる

「わかるんスか?

「聖女様が支援してくれないからな

「回復してあげたでしょっ

「でも、もう帰るんだろ?

「まぁね、私もやることが有るから

「やることってなんスか?


「……以下次章!!


「急にメタいっス


 

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-**-*-


長編二作目が100話に到達しました

個人的に嬉しい


投稿日は事前にXにて投稿します(忘れなければ)

基本は0時に更新予定

日曜日の0時は必ず更新します(固定)

 

ブクマ いいね 感想 レビュー もお待ちしております

宜しくお願いしますm(_"_)m

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ