胸騒ぎ
放課後、あたしは郁哉くんに送ってもらった。
遠いからって断ったのに、どうしてもって言われて仕方なく、だけど。
「今の家……ここなの。」
「ふぁー、でかい、さすが金持ち。」
「あれ、日和帰ってたの?」
庭の方から匠の声がした。
「あ、匠ももう帰ってたの?」
「うん、今日は早くてね。」
匠が庭の方から門の方へやって来た。
「あ、君……。僕は結城匠です。改めて宜しく。」
「俺、鈴原郁哉です。こちらこそよろしく……。」
「母さんが日和を連れて帰るって言い張ってて、それで今はこの家に。鈴原くんも少し安心した?」
「あ、はい。日和も安心してるみたいだし」
「僕は日和のこと全然知らないから…もし何かあった時君に頼ってもいいかな。」
「逆に俺も頼ると思う。」
「じゃあお互いに頼るってことで 」
「そだな!」
「男子軍仲良くなった?」
匠も郁哉くんも話してて何だか楽しそう。
友達増えたみたいだし、良かったのかな?
「じゃあ日和また明日ね。匠さんも。」
「うん!また明日ー!」
「気をつけて!」
郁哉くんの背中、何度も見た。
何かあの背中を見ると安心出来る。落ち着く。
「そろそろ入ろうか。暗くなるし。」
「そだね。」
あれ、何だろう。胸騒ぎがする。
きっと気のせいだよね。そう、気のせい。
「日和?顔色悪いよ?」
「何だか……胸騒ぎがするの……。」
「鈴原くん?それとも小春ちゃん?」
「分からない。けど……。」
あたしはそのまま倒れた。
胸騒ぎだけで倒れるなんて、あたしって……。




