小春の作戦、郁哉への思い①
私はコッソリ日和の後をつけていた。
今回の目的は日和でも匠さんでもなく、日和の彼。
2人がバラバラになった時が狙い。
匠さん家に送っていって、日和と匠さんが家の中に入ったことを確認し、彼を追う。
「すーずはらくん。」
「あ、はい。」
彼が後ろを向く。
「お姉さん……」
「お久しぶりね、鈴原くん。最近日和は元気?」
「え、まぁ、元気。」
「そう、良かった。」
「あの……俺に何の用ですか。」
「鈴原くんに相談したい事があって……。」
鈴原くんを連れて、私は家に帰ってきた。
「相談……って?」
「匠さんと日和のこと。あの2人って一応異母兄妹じゃない?」
「まぁ、はい。」
「でもほら、外国とかではどちらかの親が違うなら結婚出来るでしょ?」
「スェーデンとかなら、確かそんな気が 」
「それに誰を好きになろうがその人の自由でしょ?」
「それはそうだね。」
「だから、匠さんと日和のどっちかがどっちかを好きになったら…って考えちゃって。」
「………あ、え……」
「ひとつ屋根の下で男女が一緒に居て、尚且母親が違うのよ。恋愛だってあり得るじゃない!」
「……それは考えてなかった……。」
「この状況で鈴原くんはいいの?」
「匠さんがそんな事するはずないって……思ってるけど……。」
「日和はあんなに綺麗なのよ。だから鈴原くんも好きになったんでしょ?」
「まぁ、そうですけど」
「なら匠さんだって一瞬でもそういう感情が芽生えるかも知れないわよ。」
「……。」
ふふ、順調順調。
あの2人に痛い思いさせてあげるんだから。
「あ……ごめんなさい。八つ当たりみたいに……。」
「いえ、いいんです。そういうの考えてなかった俺も悪いし……。」
「鈴原くん……。」
「お姉さん、悪い人だと思ってたけど案外いい人なんだね。」
「え、そ、そう?」
「うん。日和と明日話してみます。 」
「それがいいわ。」
鈴原くん、いい感じでショック受けてる。
しょんぼりした姿、どこか愛らしい。
「お姉さん!?」
私は鈴原くんを抱きしめた。
「鈴原くん……泣きそうだったから……。」
「すいません……変なとこ、見せちゃって。」
「いいのよ。気にしないで。」
「ありがとうございます……。」
私はそのまま鈴原くんにキスをした。
逃げないように、舌を絡ませる。
「ちょ、おね、お姉さん!?」
「何であんな事言ったか、分かる?」
「え?」
「鈴原くんがこれ以上辛い思いして欲しくなかったから。だから……日和の事を諦めてもらおうと思って……。」
「お姉さん……。」
「でも、逆に迷惑よね。ごめんなさい。」
「いや、気遣い……ありがとうございます。」
「ねぇ鈴原くん。私ね……」
「ん?」
「鈴原くんのこと好きになっちゃった。」




